2001 Fiscal Year Annual Research Report
南アフリカ共和国における女性政策を推進する制度に関する研究
Project/Area Number |
13837028
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Research Institution | Kokugakuin University |
Principal Investigator |
田中 和子 國學院大学, 法学部, 教授 (50146742)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 ヒロ子 十文字学園女子大学, 社会情報学部, 教授 (60286119)
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Keywords | 女性政策 / ジェンダーの主流化 / 国内本部機構 / ジェンダー予算 |
Research Abstract |
2001年度は、(1)南アフリカ共和国(以下 南ア)におけるジェンダー予算に関する文献および内外の女性政策・ジェンダーの主流化・ジェンダー分析に関する文献の収集・翻訳、(2)日本国内における先進的な女性政策を実施している自治体の調査を行った。 南アのWomen's Budget Initiativeはオーストラリアの女性予算をモデルにして、女性部ジェンダー平等委員会(Commission on Gender Equality)、ジェンダーと経済政策に関する財政合同特別委員会(Joint Standing Committee on Finance on Gender and Economic Policy Group)、ケープタウン大学法律・民族・ジェンダープロジェクトおよび南アにおける民主主義研究所(Institute for Democracy in South Africa)によって1995年に始まった。予算はその国の価値観の反映である。南アの予算編成は、中流のアフリカーン白人男性を対象としており、国民の大多数である貧しい黒人女性は視野に入っていない。予算はジェンダーに中立でなければならないが、税収入も事業予算にも女性の視点は入っていない。 女性予算は、女性を対象にした別個の予算ではない。女性予算とは、国および地方自治体の事業予算や税収について、女性への影響という視点から分析することである。 国内の調査研究では、大阪市、堺市等の聞き取り調査を行った。大阪市は、一部福祉系事業の影響調査に着手している。また、堺市は、都市部における女性政策の評価調査で最も高得点を挙げているが、条例案の基本理念に「性同一性障害や先天的に身体上の性別が不明瞭である人など人権についても配慮されること」という趣旨を入れるなど、画期的な条例である。
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