2002 Fiscal Year Annual Research Report
「視覚化された世界像」と「思想としての世界観」の統合に関する思想史的研究
Project/Area Number |
13871005
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
佐藤 正幸 山梨大学, 教育人間科学部, 教授 (90126649)
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Keywords | カルトグラフィー / カルトロジー / 図像学 / 世界認識 |
Research Abstract |
本研究は,「視覚化された世界像」と「思想としての世界観」の統合に関する研究である。 本研究では、(1)「カルトロジーとカルトグラフィー」の概念関係を、パノフスキーの用語法である「イコノロジーとイコノグラフィー」とのアナロジーにおいて、概念的に整理し、定義を確立すること、(2)これまで蒐集した古世界地図の整理:エルサレム中心地図50点、イスラム中心世界地図20点、インド中心世界地図30点、中華中心地図8点・日本中心地図40点、アメリカ中心地図20点、オーストラリア中心地図5点を、画像情報としてコンピューターに保存し、将来、インターネットによる公開が出来るよう準備すること、(3)上記の古世界地図の内、エルサレム世界地図、イスラム中心世界地図、インド中心世界地図、中華中心世界地図が、科学的地理情報との整合性を求めて近世期に変容し、現実の世界像とイメージとしての世界像が乖雛して行く過程つまり、「視覚化された世界像のパラダイム変換」のプロセスを思想史的に解明すること、の3点の研究である。 今年度は、以下の5点の研究を行った。(1)「カルトロジーとカルトグラフィー」の概念整理と定義の確立に向けての検討。(2)マテオ・リッチが世界最初の中国中心世界地図「坤與萬国全図」を作成した経緯の研究。(3)エルサレム中心の「キリスト教的世界地図」が、一五世紀に、近代的世界情報と整合するように変容して行き、破綻するプロセス、つまり、「キリスト教世界における視覚化された世界像のパラダイム変換」のプロセスを解明した。(4)アラブ中心の「イスラム教的世界地図」が、十世紀に、経験的世界情報と整合するように変容して行き、消滅するプロセス、つまり、「イスラムにおける視覚化された世界像のパラダイム変換」のプロセスを解明した。(5)海外での資料収集を行い、研究成果の一部を海外の学会で発表した。
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Research Products
(2 results)