2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13872005
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中山 信弘 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (40009816)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山神 清和 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 助手 (50334298)
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Keywords | IT / 情報通信技術 / 知的財産権 / 特許 / 著作権 / コンピュータプログラム / 発明 / 創作性 |
Research Abstract |
知的財産制度が近年注目を集めている理由は何か。主要な理由の一つに産業政策の道具としての知的財産制度への期待がある。しかし、その背景には社会構造の変化があることが見落とされてはならない。現在、社会において財の中心が「物」から「情報」へと移行しつつある。近年の知的財産制度の変革は、社会全体の情報化という流れの中で把握されるべきである。 知的財産法強化の傾向について留意すべきは、権利の強化自体が自己目的となってはならないことである。情報の豊富化との目的を達成するために、情報の独占と自由利用との調和点となるべき制度の構築が課題となる(以上について、中山信弘「知的財産法制の課題と展望」ジュリスト1248号(2003)6頁以下参照)。具体的な課題として、本研究では知的財産法の保護対象の現状と在り方を一貫して検討してきた。その成果は以下のとおりである。 中山信弘「創作性についての基本的考え方」著作権研究28号(2003)2頁以下では、著作権法の保護対象に関わる創作性の要件につき検討を行った。著作権法の目的を情報の豊富化を図ることと捉える視点から、「創作性」の要件を表現の選択肢の幅として理解すべきものと考えている。 次に特許法の保護対象については、「自然法則の利用」の要件を軸に検討した。ソフトウェア技術に対する各国実務の変遷、定義規定の沿革等を素材として、発明の定義についての考察を行った。従来の定義規定が想定してこなかった新技術・産業への対応を視野に、「一定の法則を利用した技術的思想」への改正を提案している。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 中山 信弘: "知的財産法制の課題と展望"ジュリスト. 1248. 6-12 (2003)
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[Publications] 中山 信弘: "「知的財産戦略大綱」について(知的財産権保護の必要性と水際取締りへの期待)"CIPICジャーナル. 133. 5-14 (2003)
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[Publications] 中山 信弘: "大学の役割は基礎研究にあり"時評. 45巻7号. 41-45 (2003)
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[Publications] 中山 信弘: "創作性についての基本的考え方"著作権研究. 28号. 2-11 (2003)
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[Publications] 中山 信弘: "これからの知的財産制度-知恵こそ財産の時代-"税大通信. 442号. 2-3 (2003)
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[Publications] 中山 信弘: "勤務規則等の定めと相当の対価-オリンパス事件"特許判例百選[第三版](中山信弘・相澤英孝 大渕哲也編). (図書). 72-73 (2004)