2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13875016
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Research Institution | Himeji Institute of Technology |
Principal Investigator |
服部 正 姫路工業大学, 高度産業科学技術研究所, 教授 (70326297)
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Keywords | X線検出器 / ガス増幅 / X線イメージング / LIGA / X線リソグラフィー / マイクロファブリケーション / MEMS / NEMS |
Research Abstract |
平成13年度の研究により微細3次元構造プロセスの見通しを得,その実現性の目処をつけた.そこで今年度は,開口率と機械的強度の兼ね合いの点で有利なハニカム構造からなるガス増幅型X線検出器の設計・試作を行い,本検出器の可能性とその実現性について検証した. その結果, (1).(1)放射光施設(ディープX線リソグラフィー)によるハニカム(PAMA直径3mm,200μm厚,線幅10μm,一辺30μm)構造作成,(2)電極との密着力を高めるための前処理としてのFABエッチング,(3)DCスパッタリングによる電極(約0.5μm, Au)作成,(4)マウント作成,(5)配線ボンディングのトータルプロセスを確立, (2).本検出器はハニカム構造体の上下の面に電極をつけた積層構造体となっており,この電極間で放電に近い状態で電子増倍を引き起こすものであるので,今回は(1)のプロセスで作った同一構造体を2枚接合し,電子増倍された電子を補足するガラス窓のないむき出しのCCDで捕らえるガス増幅型X線検出器を試作, (3).X線を用いて,本X線検出器の検証実験を行った.導電性X線窓を通過したX線の放射光光子と不活性ガス(Ar)との衝突によって発生する電子を種として,この電子貫通孔においてアノードとカソード(電位差を1kv/100μm)との間で増倍,放電させるマイクロチャンバーと貫通孔を通過してきた電子をCCDで捕らえる.ここでアノードと導電性X線窓との電位差は1kv/1cm.その結果,カソードとアノードとの電位差0kvに対し,本検出器ではCCD感度が5倍以上あり,電子増倍されていることが検証できた.この実験を通して,本検出器としてのポテンシャル,可能性と実現性について検証できた. 今後,イメージング検出器としての構造・プロセスの検討ならびに検出回路の検討が残されている.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 服部 正: "放射光のナノ・マイクロ加工技術への応用"溶接学会誌. 第71巻3号. 135-144 (2002)
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[Publications] Harutaka Mekaru, Yuichi Utsumi, Tadashi Hattori: "Current Status of LIGA Process at "New SUBARU""JMSE/AMSE International Conference on Materials and Proceeding 2002. 589-592 (2002)
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[Publications] 安東愛之輔, 服部正, 細野和彦, 神田一浩, 木下博雄, 他: "ニュースバルの到達点"放射光学会誌. Vol.15, No.6. 336-346 (2002)
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[Publications] 内海裕一, 銘苅春隆, 植田寛康, 服部正: "放射光を用いたマイクロ・ナノ立体トータル加工プロセス"日本設備管理学会秋季研究発表大会論文集. 75-80 (2002)
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[Publications] 銘苅春隆, 山下満, 橋本智, 安東愛ノ輔, 服部正: "ニュースバルBL11での出力光スペクトルの測定"第16回日本放射光学会年会・放射光科学合同シンポジウム予稿集. 169 (2003)
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[Publications] 坂井信支, 多田健太郎, 内海裕一, 服部正: "放射光LIGAプロセス用超高感度圧膜レジストの新規開発"第16回日本放射光学会年会・放射光科学合同シンポジウム予稿集. 286 (2003)