2001 Fiscal Year Annual Research Report
IT化社会における新しい空間秩序と地域間競争に関する研究
Project/Area Number |
13875092
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
谷口 守 岡山大学, 環境理工学部, 助教授 (00212043)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 宏史 岡山大学, 環境理工学部, 教授 (10144320)
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Keywords | サイバーウォーク / インターネット / タウンウォーク / 地域認識 / 意識調査 / 空間抵抗 |
Research Abstract |
IT技術の発展・普及に伴い、サイバースペースの出現や空間認知の考え方が変化するに伴い、従来の空間秩序がどのように変容し、都市の形態やそれに関する政策のあり方において何を考慮する必要があるかを明らかにすることが本研究の目的である。 今年度の検討においては、インターネットの普及等によって出現したサイバースペースの利用状況が、一般的な都市での街歩き(タウンウォーク)にどれだけ代替しつつあるかを実際の意識調査を通じて明らかにした。調査においては、サイバーウォークとタウンウォークに関する実際の行動と、その代替可能性について同一のサンプルに調査を行うことにより、その代替可能性を具体的に算出できるよう工夫を行った。また、タウンウォークとサイバーウォークにおける空間抵抗の違いを重力モデルのキャリブレーションを通じて実際に定量的に算出し、新たに出現したサイバースペースの特徴について、客観的な数値データに基づいた検討を行った。 分析の結果、サイバーウォークのタウンウォークに対する代替可能性は非常に高いことが判明する一方で、それらは完全に代替する性格のものでもなく、都市側としては戦略的にサイバースペースの拡大に対抗する余地があることが明確に示された。また、モデル分析より、サイバースペースの空間抵抗はパラマータ値が負で遠方ほどアクセスされる傾向にあり、実質的にはアクセス先として東京に集中が見られることが明らかになった。 以上の結果から、意識調査の対象を広げるとともに、実際の多様な交通行動パターンを有する様々な行動主体ごとに、サイバースペースの出現がどのような影響を及ぼすかを、個人の空間認識構造も含めて、より幅広く検討していくことの必要性が示された。
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Research Products
(1 results)