2001 Fiscal Year Annual Research Report
リチウム―アンモニア,アミン系溶液からのリチウム膜の生成
Project/Area Number |
13875141
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
平沢 政広 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (90126897)
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Keywords | 反応速度 / 溶媒和電子 / 均一反応 / 不均一反応 / 触媒 |
Research Abstract |
本研究では,Li-NH_3,アミン溶液中の薄層から溶媒のNH_3,アミンを蒸発させて迅速に除去し,Liを析出させることによって金属Li膜を生成させるプロセスについての基礎研究を行う.本年度は,予備実験の結果,-40℃以下の低温における操作の必要なLi-NH_3溶液より,常温における実験の可能な溶液を使用することが望ましいことがわかったので,NH_3より沸点の高い溶媒として沸点118℃(融点10℃)のエチレンジアミン(EDA)をとりあげ,Li-EDA溶液の応用が可能か判断するための基礎研究として,溶液の安定性についての実験をおこなった.実験では,所定濃度のLiを含有するLi-EDA溶液から,溶媒と溶質の反応 Li^++e+H_2NCH_2CH_2NH_2 → Li^++HNCH_2CH_2NH_2+0.5H_2(A) により生成するH_2の量の経時変化を調べ,実験結果から反応(A)の速度を求めた.実験条件として,溶液の撹拌条件,温度,Li初濃度を変化させた.また,本研究の目的の上で特に重要な,Li-EDA溶液の保持方法とつながる,保持担体となる物質が反応(A)におよぼす影響を調べるために,ガラスや金属などの反応(A)への触媒効果について調べた. 実験の結果,LiとEDAの反応は,実験温度範囲15〜25℃においては,温度および溶液の撹拌条件の影響を強く受けることがわかった.また,反応セル内にガラスビーズを入れた実験の結果から,反応は25℃では溶液内の均一反応によって進行し,一方,15℃では主としてガラス容器およびビーズ表面における不均一反応によって進行することがわかった.また,金属Niなどの触媒は反応速度を大きく促進することが判明した.このことから,Li-EDA溶液を使用するプロセスは現実的でないと判断された.
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Research Products
(1 results)
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[Publications] 葛原正枝, 下永応博, 宇田哲也, 平沢政広: "リチウム-エチレンジアミン溶液の分解反応に関する速度論的研究"東北大学多元物質科学研究所素材工学研究彙報. 57巻・1,2号. 1-6 (2001)