2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13877125
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
小林 陽之助 関西医科大学, 医学部, 教授 (50034062)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
蓮井 正史 関西医科大学, 医学部, 助手 (50309241)
谷内 昇一郎 関西医科大学, 医学部, 講師 (70171832)
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Keywords | 慢性肉芽腫症 / 活性化酸素 / 一酸化窒素 / フローサイトメトリー / DAF-2 / ST合剤 / 一酸化窒素合成酵素 / ブドウ球菌 |
Research Abstract |
ヒト好中球による細菌の殺菌機構は主に活性化酸素が担っているが、我々は本機構に一酸化窒素(NO)の関与も裏付ける所見を得た。慢性肉芽腫症(CGD)では活性化酸素が産生されないために好中球の殺菌機構に遺伝的な欠陥があるが、NOの産生は正常人と比較して同等ないしはそれ以上に上昇していることを確認した。またCGDに有効とされるST合剤(スルファメトキサゾル・トリメトプリム)やインターフェロンγによりNOの産生が亢進し、それがCGDの殺菌機構に関与している可能性が高いことを指摘した。我々はフローサイトメトリーを用いDAF-2をプローブとして、これまで測定できなかった好中球内NOを直接測定・定量し、NOが好中球機能に及ぼす影響について検討した。リポポリサッカライドとST合剤とを加えた群は対照と比較してNO産生量は1.5倍増加したが、アンピシリンやクラリスロマイシンを添加した系ではNO産生量の増加はみられなかった。CGD好中球にST合剤を加えた群ではNO産生量が1.7倍増加した。好中球のNO合成酵素(NOS)を誘導する目的で黄色ブドウ球菌を用いたところ、好中球内のNO産生量は対照と比較して7倍に増加し、またRT-PCR法を用いて黄色ブドウ球菌貧食刺激により内因性NOSが誘導されていることを証明した。さらに蛍光染色した検体を蛍光顕微鏡で観察したところ、細胞内でNOが産生されていることを確認した。 今回の研究では、ST合剤添加群で好中球内NO産生量が増加したことからST合剤の効果にはNOが関与していることが示唆された。また従来貪食刺激により好中球は活性化酸素産生機構のみに関心が払われていたが、NOも多量に産生され感染防御に重要な役割を果たしている可能性を示した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Taniuchi S et al.: "A convenient method of granulocyte transfusion using a hydroxylethyl starch(HESPAN) containing bag"Pediatric Hematology Oncology. 18. 1-3 (2001)
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[Publications] Taniuchi S et al.: "Increased serum nitrate levels in infants with atopic dermatitis"Allergy. 56(7). 693-695 (2001)
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[Publications] Inada T et al.: "Propofol caused more depression of neutrophil hydrogen peroxide production than midazolam, while adhesion molecule expression"Anesthesia and Analgesia. 92. 437-441 (2001)
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[Publications] Taniuchi S et al.: "FcγRIIIb and FcγRIIa polymorphism may affect the production of specific NA1 autoantibody and and clinical course of autoimune"Human Immunology. 62. 408-413 (2001)