2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13877379
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
後藤 順一 東北大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (80006337)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
眞野 成康 東北大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (50323035)
小林 典裕 東北大学, 大学院・薬学研究科, 助教授 (90205477)
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Keywords | プロテオミクス / ファーマコプロテオミクス / ゲノム創薬 / 質量分析法 / ペルオキシレドキシン / 胆汁酸 / デオキシコール酸 / ディファレンシャルディスプレー |
Research Abstract |
ヒトゲノムのドラフトシークエンスが公表され、本格的なポストゲノム時代が到来し、世界の各製薬企業はゲノム情報を利用する新規医薬品の開発、すなわちゲノム創薬の方向性を模索している。こうしたなか薬物や生理活性物質が誘起する生体内変化を蛋白質分子レベルで捉え、標的となる蛋白質の機能を解析することにより、新たな創薬標的分子を探索するファーマコプロテオミクス手法の確立に多大な期待が寄せられている。本年度は、蛋白質分離に優れる二次元ゲル電気泳動法(2DGE)を駆使して蛋白質試料の調製法並びに分離した蛋白質の解析手法につき検討した。 まず、モデル細胞としてHeLa細胞を用い、培養した細胞を回収後破砕し、常法に従って細胞分画した。さらに細胞質画分につき硫安分画に付し、得られた各画分を2DGEを用いて分離した。その結果、これら2種の分画法を2DGEに組み合わせることで、各蛋白質スポット中に複数の蛋白質が存在する確立が激減し、ペプチドマスフィンガープリンティング法を用いて任意のスポットのほとんどを同定することが可能となった。次に、大腸癌発症のプロモーター作用が指摘されているデオキシコール酸をモデル薬物として用い、これを添加した培養液を用いて先と同様に細胞を培養し、ディファレンシャルディスプレーにより、刺激の有無による蛋白質パターンの比較を行った。その結果、細胞質画分において顕著な発現変動が認められ、そのうち最も再現性良く変動したスポットにつき、トリプシンによるゲル内消化後、MALDI-TOFMSを用いてマスマッピングに付した。得られた各ペプチドの分子量をもとにデータベース検索したところ、本蛋白質が酸化ストレスに関与するペルオキシレンドキシンIであることが判明した。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Junichi Goto: "Bile Acid Acyl Adenylate : A Possible Intermediate to Produce a Protein-Bound Bile Acid"Rapid Communication in Mass Spectrometry. 15. 104-109 (2001)
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[Publications] Shigeo Ikegawa: "The Enantioselective Immunoaffinity Extraction of an Optically Active Ibuprofen-Modified Peptide Fragment"Analytical Biochemistry. 296. 63-72 (2001)
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[Publications] Nariyasu Mano: "Simultaneous Detection of Cholyl Adenylate and Coenzyme A Thioester Utilizing Liquid Chromatography/Electrospray Ionization Mass Spectrometry"Analytical Sciences. 17. 1037-1042 (2001)
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[Publications] Takashi Iida: "A Highly Efficient, Stereoselective Oxyfunctionalization of Unactivated Carbons in Steroids with Dimethyldioxirane"Journal of Chemical Society, Perkin Translation 1. 2001. 2229-2236 (2001)
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[Publications] Nariyasu Mano: "Characterization of Rat Liver Bile Acid Acyl Glucuronosyltransferase"Steroids. 67. 257-262 (2002)
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[Publications] Takashi Iida: "Potential Bile Acid Metabolites. 24. An Efficient Synthesis of Carboxyl-Linked Glucosides"Lipids. 37. 101-110 (2002)
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[Publications] Nariyasu Mano: "Rapid and Simple Quantitative Assay Method for Diastereomeric Flurbiprofen Glucuronides in The Incubation Mixture"Jurnal of Chromatography B. (in press).