Research Abstract |
本研究の目的は,わが国における看護ケア技術のイノベーション普及過程,メカニズム,影響要因を明らかにし,看護学における新知見を普及する方略の開発とその確立を促進するための基礎的研究を行うことである。 今年度は,研究計画に基づき,過去10年間に開発された看護ケア技術に関連する研究成果について,Medline,CINAHL,医学中央誌,看護学学会誌等で検索し,来年度に全国調査する看護ケア技術を選択した。選択基準は,科学的成果,実践への意義,実践の可能性,他の論文で支持・検証されているものとし,30項目を特定した。次に,関東地区の1000床の大規模大学病院,500床の中規模公立病院の2カ所で,選択した看護ケア技術の使用頻度とどの程度普及されているのか看護部から聞き取りを行い,主要病棟の紹介を得て参加観察をした後,研究同意が得られた看護師を対象に各50名の計100名に面接調査を行った。面接内容は,対象者の属性,選択した個々の看護ケア技術の使用頻度と普及段階(知らない段階,知識段階,態度段階,決定段階,実行段階,確信段階),個々の看護ケア技術をどのように知ったのか,活用している理由などである。面接は対象者の了解を得てテープレコーダーに録音し,研究協力者に逐語録を作成させた。現在は,逐語録の内容分析を行っている途中であり,個々の看護ケア技術に関して,使用頻度,普及段階,影響因子等についてピックアップしている。今後,これらについてコード化,カテゴリー化し,コンピュータに入力できる形に整理していく予定である。また,全国調査にあたり,病院施設の選択と往復はがきによる研究協力の依頼状を作成中である。
|