2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13877429
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Research Institution | Kobe City College of Nursing |
Principal Investigator |
荒川 靖子 神戸市看護大学, 看護学部, 教授 (50167996)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神徳 和子 神戸市看護大学, 看護学部, 助手 (80347541)
福田 和明 神戸市看護大学, 看護学部, 助手 (40347539)
池田 清子 神戸市看護大学, 看護学部, 教授 (60224755)
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Keywords | セルフケア / 家族看護 / がん看護 / 家族危機 / セルフケアエージェンシー / グループダイナミクス |
Research Abstract |
昨年度は、がん患者をもつ家族、危機に直面した家族が遭遇する課題およびそれらの課題に対処する際に有効に作用すると考えられる種々の要因を明らかにするために、先行研究の結果を中心に文献検討を行った。 この結果をもとに、本年度は、家族のセルフケアを構成すると考えられる、家族構成、資源、周期、コミュニケーションパターン、リーダーシップ、メンバーシップ、キャリア等とセルフケアの充足状況についての調査用紙を作成した。この用紙を用いて5組の卵巣がん患者・家族にインタビューを行い、セルフケアの充足状態、セルフケアに有利、不利に作用する要因についてデータ収集、分析を行った。その結果、卵巣がん患者の闘病過程を支える家族のセルフケアには娘や嫁を中心とした女性の協力体制が最も大きな意味を持っていることが明らかであった。一方、家族全体のセルフケアという観点からは、夫をはじめとする家族内の男性たちへの教育的介入を強化し、家族全体として闘病に取り組む体制づくりの必要性が示唆された。 これに引き続いて平成14年度には対象を広げ、さまざまな種類のがんをもつ患者・家族を対象に、病棟ナースがセルフケア不足と感じている事例を中心にセルフケアの充足状態とその要因を明らかにするための調査を行った。現在、データの分析中であるが、セルフケア不足の結果重大な問題を抱えているとナースが考えている家族の要因として、発病以前からその家族が抱えている人間関係、経済問題といった看護活動の範囲を超える課題も多く、今後の検討されなければならない看護として、他職種あるいは資源の活用といったコーディネート的看護の必要性が示唆されてきている。
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