2013 Fiscal Year Annual Research Report
細胞がん化における細胞形態変化と代謝、細胞増殖の関連の研究
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13F03071
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
末次 志郎 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 教授 (70345031)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SAFARI Fatemeh 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2013-04-26 – 2015-03-31
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Keywords | 網膜繊維芽種 |
Outline of Annual Research Achievements |
がん細胞は、多くの場合親株となる細胞とは異なり形態を呈することで認識される。がん細胞は悪性化すると高増殖能と浸潤能を獲得し、その際にがん細胞は、多数の突起構造を獲得する場合が多いと考えられる。BARタンパク質は、N末のBARドメインにより、脂質膜をBARドメインの立体構造に適合する膜形態に変形させることの出来る鋳型タンパク質である。従って、BARタンパク質は、がん細胞の形成に伴う細胞の形態変化に関わっていると推定される。BARタンパク質はおよそ70種類が存在するが、突起形成には、わずか5種類のI-BARドメインサブファミリーが関与している。興味深いことにI-BARドメイン含有タンパク質であるIRSp53はがん細胞、その中でも特に網膜繊維芽種(retinoblastoma)において高発現することが認められるがその意義は明らかではない。IRSp53による突起形成は、病原性細菌の細胞間戦時に見られる足場となる突起形成にも関わり、その際には、I-BARドメインは、脂質膜に結合する以外に病原性細菌の持つタンパク質のNPYモチーフと結合する。NPYモチーフを持つタンパク質は、病原性細菌以外にも存在し、がん抑制遺伝子(Rb1)のファミリーメンバーであるp107が含まれる。本年度の研究では、IRSp53のI-BARドメインが、NPYモチーフを介してp107に結合することを、293細胞に野生型とNPYモチーフの変異型p107をIRSp53ととも過剰発現させ、免疫沈降実験をおこなうことにより確かめた。また内在性IRSp53とp107の結合を確かめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
網膜繊維芽種細胞の突起が予想外に小さく、細胞の突起形成における影響の検討、細胞周期の進行における影響の検討に影響することが発覚し、それを解決する為に、観察方式を検討する期間を確保する必要が生じた。そのためIRSp53とp107の結合の細胞機能の解析については着手できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
計画の残りの項目をできるだけ遂行する予定である。特に細胞周期に対するIRSp53とp107の結合の役割を検討する予定である。
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Research Products
(2 results)