2014 Fiscal Year Annual Research Report
ステロイド合成細胞のクロノメタボリズム:細胞代謝と生理の概日時計による制御機構
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13F03402
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岡村 均 京都大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (60158813)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CHEN Huatao 京都大学, 薬学研究科(研究院), 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ステロイド / アルドステロン / 脂肪 / 生体リズム |
Outline of Annual Research Achievements |
内分泌性高血圧の中で原発性アルドステロン症は高頻度で重要な疾患であるが、その発症機構は未解明なままである。これは、当該疾患において、具体的なアルドステロンの合成経路異常が解明されていないことにその一因がある。我々は、マウスの生物時計異常がアルドステロンの合成酵素の一つである3β-HSD(3β水酸化ステロイド脱水素酵素)のサブタイプの一つであるHSD3B6(ヒトHSD3B1に相当)が過剰に発現することを同定し(Doi et al., Nature Med. 2010)、最近、この酵素のヒト該当酵素であるHSD3B1が、特発性アルドステロン症において、大きく発現増加していることを明らかにした( Doi et al., J Clin Endocrinol Metab., 2014)。次に、この酵素の制御機構を、生体内でアルドステロン産生を亢進させる主要な因子であるアンギオテンシンIIに着目し、解析した。 その結果、マウスへのアンギオテンシンIIの投与や、ヒト副腎皮質由来のH295R細胞を用いた実験から、アンギオテンシンIIが本酵素の発現を一過性に亢進することを見だした。また、アンギオテンシンIIによる本酵素の誘導は、転写因子NGFIBを介して行われていることを示した。また、脂質代謝の場として、肝臓、内臓脂肪に着目し、その24時間リズムを調べたところ、肝臓にて弱いリズムを認めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ステロイド代謝の研究は順調に進行しており、生体リズムとの関係も解明されつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
予定通り進める。今後、副腎のみならず、皮膚、脂肪組織、肝臓でのステロイド代謝の研究を進める。
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Research Products
(3 results)