2013 Fiscal Year Annual Research Report
ダイズゲノムリソースを利用したジュウロクササゲの長莢化遺伝子の解明と利用
Project/Area Number |
13F03514
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Research Institution | National Institute of Agrobiological Sciences |
Principal Investigator |
友岡 憲彦 独立行政法人農業生物資源研究所, 多様性活用研究ユニット, ユニット長
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KONGJAIMUN A. 独立行政法人農業生物資源研究所, 多様性活用研究ユニット, 外国人特別研究員
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Keywords | 栽培化 / QTL解析 / ファインマッピング / 莢長 |
Research Abstract |
ジュウロクササゲは、莢の長さが90cmにも達するアジアで栽培化が進んだササゲ属のマメ科作物である。Alisa氏とのこれまでの共同研究によって、ジュウロクササゲの莢が極めて長くなった原因遺伝子が、第7連鎖群に座乗するPdl7.1であることを明らかにしていた。この遺伝子は、莢の長さを長くするばかりでなく、種子の大きさも顕著に大型化する興味深い栽培化遺伝子と考えられた。そこで、本QTLから遺伝子単離を目指すために、初年度は以下のことを行った。Pdl7.1を挟む2個のDNAマーカー(CEDG111とcpOO806)およびゲノム上に広く分布する56個のSSRマーカーを用いてBC3F1植物9個体のジェノタイピングを行った。その結果に基づいて、BC3F1植物2個体を選抜し、それら2個体から自殖BC3F2種子1358粒を採種した。ついで、1358個体のBC3F2植物を栽培し、莢の長さ、莢の幅、裂莢性、莢の硬さ等の形質を調査し、自殖種子を収穫中である。ゲノム情報を利用して、これまでの研究で得られていたPdl7.1を挟む2個のDNAマーカー(CEDG111とcp00806)の間に、48個のSSRマーカーを設計した。これらの中で、6個のSSRマーカーが両親間で多型を示した。そこで、以前のQTL解析の結果を確認し、新しく作成したマーカーの有用性を検証するために、以前のQTL解析に用いたBC1F1集団190個体のDNAを用いたジェノタイピングを、これら6個のSSRマーカーも含めて実施し、第7連鎖群を再構築した。その結果、新しく作成した6個のSSRマーカーは、Pdl7.1を挟む2個のDNAマーカー(CEDG111とcp00806)の間にマッピングされた。莢の長さのQTL (Pdl7.1)は、新しく設計したマーカーによって、その座乗位置が0.4cMの距離に狭められた。このことから、新しく設計したマーカーはファインマッピングに使用可能であることが確認でき、今後BC3F2植物1358個体のDNAを用いて連鎖解析を実施する。一方、現在20個体のBC3F2集団と5個体ずつの両親を栽培中であり、今後これらを用いてトランスクリプトーム解析を実施する計画である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請書に記載した計画どおりに、研究が進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、今年度作成した新しいSSRマーカーを用いて、BC3F2集団1358個体のDNAのジェノタイピングを行い、Pdl7.1の座乗位置をさらに絞りこむ。また、トランスクリプトーム解析をおこない、その結果とゲノム情報を基に、候補遺伝子の配列を両親間で比較して、SNPやInDelのDNAマーカーを作成する。
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