2005 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロチップ集積化による反応・機能制御システムの開発
Project/Area Number |
13GS0024
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
北森 武彦 東京大学, 大学院工学系研究科, 教授 (60214821)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 修 東京大学, 大学院薬学系研究科, 教授 (50195781)
松本 和子 早稲田大学, 理工学部, 教授 (60111457)
庄子 習一 早稲田大学, 理工学部, 教授 (00171017)
魚住 泰広 自然科学研究機構, 分子科学研究所, 教授 (90201954)
久本 秀明 兵庫県立大学, 大学院物質理学研究科, 助教授 (00286642)
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Keywords | マイクロチップ / 機能性微小空間 / 分析化学 / 触媒・化学プロセス / 表面・界面物性 / マイクロ化学システム |
Research Abstract |
マイクロチップ内へ化学システムを集積化する研究は、微小空間が提供する物理的特徴を利用したものが世界的に主流である。これに対し我々は、触媒反応・選択的分子認識などの化学的機能を微小空間自体に積極的に付与することで、「機能性微小空間」を創成することを目的とする。本年度は高機能化学チップ作製及びチップ内化学反応に関し、より実用的なマイクロデバイス化を指向した研究を実施した。具体的な課題として以下の3点を中心に検討した。 (1)システム化に向けた様々な機能を持つチップの開発 ニューマチックマイクロバルブを用いた高速マイクロリアクタ、オールプラスチックマイクロフィルタ、スパイラルミクサ、薬液をピンポイントで導入できる3次元シースフロースキャナ等、マイクロ流体素子の高機能化を実現した。 (2)高性能コンビケムデバイスの開発 高分子担持型遷移金属錯体触媒の創製と、有機-水の2相層流反応系に適用可能な安定性を確立した。また流路内への高分子膜状錯体触媒の導入に成功し、コンビケムデバイス開発に対する基礎を確立した。 超臨界流体中での水素化反応をマイクロチャネルリアクター中で実施し、従来よりも反応速度が劇的に向上した。また、従来反応のスケールアップを達成した。 (3)同時診断が可能な高性能診断システムの開発 化学修飾角型キャピラリー埋め込みマイクロチップを用い、多種類化学機能微小空間を創成した。温度応答ポリマー、酵素、イオンセンサー膜等、機能固定キャピラリーを開発し、流体制御・酵素反応センシング機能、マルチイオンセンシング機能集積チップ開発に成功した。新規蛍光プローブを開発し、イオンセンシングデバイスを集積化したマイクロチップを創成した。 また、マイクロ空間の持つ新たな特徴として過冷却状態が安定に存在できることを見出し、バルクスケール条件下では溶液が凝固してしまう状況での反応を実現した。
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Research Products
(20 results)