2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13J00043
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
鈴木 悠也 北海道大学, 大学院生命科学院, 特別研究員(DC2)
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Keywords | mRNA分解 / Poly(A) / シロイヌナズナ |
Research Abstract |
申請者はこれまでに, 脱アデニル化酸素であるAtCCR4aおよびAtCCR4bの二重変異株が, 野生型株が生育できないような高濃度のショ糖を含む培地でも生育できる「ショ糖非感受性」の表現型を示すことを明らかにした。今年度はさらなる解析として, グルコース, ショ糖とスターチの定量を行い, スターチに関してはその構成成分であるアミロースの量を定量した。定量解析の結果, グルコースとスターチの量は野生型株と二重変異株で差が見られないのに対し, ショ糖量は二重変異株で優位に減少していることが明らかとなった。さらにアミロース量を定量したところ, 二重変異株ではアミロース量が増加していることも明らかとなった。スターチはアミロースとアミロペクチンによって構成される。スターチ全体の量は野生型株と二重変異株で差が見られないことから, 二重変異株ではアミロースの割合が上昇していることが明らかとなった。以上のことから, AtCCR4aおよびAtCCR4bはショ糖代謝やアミロース合成などに関わる遺伝子の発現を制御していることが示唆された。そこでマイクロアレイ解析を行うことで, 野生型株と二重変異株における遺伝子の発現量の差を比較したところ, 45個の遺伝子が二重変異株で上昇していた。さらにそれら遺伝子のうち, 上昇率の高いものから順にポリA鎖の長さを測定したところ, ショ糖代謝やスターチ生合成に関わる2つの遺伝子のポリA鎖が二重変異株で長くなっていることが明らかとなった。このことから, AtCCR4aおよびAtCCR4bはショ糖に関係する遺伝子のポリA鎖の長さを決定するのに重要な酵素であることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
半減期め測定は, 転写を阻害するための溶液に移す際のストレスを緩和する方法を検証中であるため, 来年度行う予定である。しかしながら, 当初からの目的であったAtCCR4aおよびAtCCR4bの標的遺伝子の同定は達成できた。さらに現在, これら標的遺伝子の欠損変異株および過剰発現株を作成中である。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は半減期を測定する方法を確立し, 網羅的な解析を行う。さらに現在得られている標的遺伝子を用い, AtCCR4aおよびAtCCR4bによる分解に必要なシス配列の同定を行う。
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Research Products
(4 results)