2013 Fiscal Year Annual Research Report
近世後期の大名家臣団における「家」結合の具体相とその変容
Project/Area Number |
13J00924
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Research Institution | National Museum of Japanese History |
Principal Investigator |
藤方 博之 国立歴史民俗博物館, 国立歴史民俗博物館, 特別研究員(PD)
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Keywords | 日本近世史 / 家族史 / 武家社会論 / 大名家臣団 / 家 / 共同性 |
Research Abstract |
本研究課題では、近世の政治権力を構成し、また近代においては家族制度の範型とされた武士の「家」について、博士論文に引き続きその実像を明らかにする研究を進める。特に、大名家を対象として、武士の「家」々の結合のあり方が近世後期においていかに変容していったかに焦点を当てる。その際、近代における士族の「家」についても分析対象に含め、近世から近代にかけて「家」のあり方を連続して分析する。このことによって、近代「家」制度の研究蓄積が進んでいる家族社会学・法社会学といった分野における知見との接続を図ることができ、近世から近代にかけて「家」の何が変化したのか、その全貌を捉えるための重要な一端を明らかにすることができると考える。 当該年度は、史料調査・整理を通じて、報告者の研究上利用できる史料を収集し、読解することに重点を置いた。 まず、佐倉藩堀田氏との比較分析ができる大名家臣団を選択すべく、各地にて史料調査を行った。論考や口頭報告のかたちで成果をまとめるには至らなかったが、調査した大名家臣団のうちから、黒羽藩大関氏や篠山藩青山氏など今後分析を深めるべき対象を見出すことができた。 佐倉藩堀田氏については、検討内容を広げることができた。戊辰戦争時の出羽国における佐倉藩飛地領の動向を分析する作業に着手し、調査の必要上から米沢藩への関心にもつながった。 また、史料整理を通じて、堀田氏家臣の熊谷家文書のなかに、素材となり得る史料があるのではないかという感触を得た。また、佐倉藩以外の大名家史料において、近世・近代移行期にいかに変容するかという観点から分析を深めるべき史料群を見出した(篠山藩青山氏関連)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
報告者の当該年度における研究計画は、資料収集に力を注ぎ、従来研究対象としてきた佐倉藩と比較し得る大名家を選択し、分析に着手するというものであった。また、これと並行して、佐倉藩家臣団における近世後期の変容を分析するための準備作業を進めることになっていた。 史料収集については、全国各地の人名家文書や家臣の家文書に当たり、今後調査を深化させるべき対象を見出した。佐倉藩については, 自治体等が保管している史料のほか、古書店からの購入や個人宅への調査参加によって、未整理史料の把握に取り組むことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2014年度は、主として近世後期の佐倉藩家臣団の分析に取り組む。史料としては、マイクロフィルム版堀田家文書のうら、藩庁日記である「年寄部屋日記」を中心的に用いる。あわせて、家臣の家文書も利用する。家臣の子孫宅にて未整理のまま伝存している史料も適宜調査・分析する。 近世後期の大名家臣団について、堀田氏以外の大名家についても比較対象として追究する。特に篠山藩青山氏, 土浦藩土屋氏といった大名家の分析に注力する予定である。
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Research Products
(4 results)