2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13J01558
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
高橋 勇樹 北海道大学, 大学院水産科学院, 特別研究員(DC2)
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Keywords | オッターボード / CFD解析 / トロール / 流体力特性 / 流れの可視化 / 最適化 |
Research Abstract |
本研究は, CFD解析(Computational Fluid Dynamics)を用いたオッターボード設計の効率化, 設計の自由度の向上を目的としている。この中で, 咋年度は以下の点について研究を進めた。 1. CFD解析の有効性の検証 複葉型オッターボード(福田, 1999)を対象としてCFD解析を行い, 結果を水槽実験と比較した。それぞれの最大揚力係数を比較したところ, CFD解析では1.65, 実験では1.64となり, 両者はよく一致した。また, 昨年12月にタフト法による可視化実験を東京海洋大学の大型回流水槽にて行った。その剥離城をCFDと比較したところ, 両者は同様の傾向を示した。以上から, CFD解析は高い精度を持ち, オッターボード設計においても有効な手法であることが確認できた。 2. オッターボードの流体力特性の評価 複葉型オッターボードの前翼, 後翼それぞれの流体力を分解し考察した。その結果, 低い迎角では後翼で, 高い迎角では前翼で揚力を稼ぐように働くことが分かった。以上から, CFDを用いることで流体力特性の詳細な考察が可能になり, 今後の設計において有用な情報が得られるようになったといえる。 3. オッターボード形状の改良 これまでオッターボードの設計は経験則と模型実験によって行われてきた。ここでは, より効率的な設計のためにCFD解析を用いたオッターボードの最適化手法を提案した。同手法はニューラルネットワークと多目的遺伝的アルゴリズムを利用したもので, 一例として複葉型オッターボードを対象に最適化を行った。最適解群から1モデルを抽出し流線の可視化を行ったところ, 以前よりも剥離が減少しており, 適切な形状を提案できたと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請書類の年次計画欄, 1年目の記載項目を全て達成することができた。また, 現在はCFD解析を用いて新形状のオッターボード開発を行っており, 今年度に計画している最適条件での模型実験の準備を進めている。以上から本課題は順調に進行していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
上述の通り, 今年度は新形状のオッターボードを設計し, 模型を作製して水槽実験を行う予定である。模型は3Dプリンターを用いて作成する予定である。これによって多少複雑な形状を持つオッターボード模型でも簡単に作成でき, 設計, 開発の効率化が図れると考えられる。また, 水槽実験では昨年度と同様に, 国立大学法人東京海洋大学が所有する回流水糟にて行うことを計面している。
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