2014 Fiscal Year Annual Research Report
脳卒中患者の姿勢・歩行異常に対する運動介入と筋活動制御方略
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13J02431
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
北谷 亮輔 京都大学, 医学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 脳卒中 / 歩行 / 理学療法 / 筋電図 / 筋の同時活動 / 筋電図間コヒーレンス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の2年目の研究計画として、脳卒中患者のバランストレーニングが歩行時の筋の同時活動に与える即時効果についてデータの解析と学会発表を行った。脳卒中患者において難しいとされている立位時の前方への重心移動に対して反復練習を行い、練習前後での歩行時の筋の同時活動を解析した結果、麻痺側の両脚立脚期、および単脚立脚期の筋の同時活動が減少し、歩行速度が有意に改善する結果が得られた。上記の内容を2014 International Society for Posture & Gait Research World Congressにてポスター発表を行い、現在国際学術雑誌に投稿するために論文を執筆中である。 また、脳卒中患者において筋の同時活動が生じる背景に関して考察を深めるために、新たな解析方法として筋電図間コヒーレンス解析を使用し、データの測定と解析を行った。その結果、脳卒中患者の歩行時の筋の同時活動は皮質脊髄路からの同期した入力により生じている可能性が示唆され、健常者では普段見られない筋を同時に活動させる皮質脊髄路の経路を歩行時に使用する脳卒中患者は足関節周囲筋の筋力が低下していた。得られた結果は第50回日本理学療法学術大会にて発表の申し込みが受理されており、英文にて論文執筆を行い、現在国際学術雑誌に投稿予定である。 さらに、経頭蓋電流刺激を行った前後の歩行時の筋電図間コヒーレンスの変化を若年健常者にて検討し、前脛骨筋に対する皮質脊髄路の入力が強まる結果が得られた。このような単一筋に対する皮質脊髄路の入力を強めることにより、脳卒中患者の筋の同時活動を減少させることが可能である可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度では2年目の研究計画として、脳卒中患者のバランストレーニングが歩行時の筋の同時活動に与える即時効果についてデータの解析、学会発表、および論文執筆まで行った。また、新たな解析方法として筋電図間コヒーレンス解析を使用し、データの測定と解析を行い、脳卒中患者における筋の同時活動が生じる背景に関して興味深い結果が得られた。得られた結果は国内・国際学会学会に発表の申し込みが受理されている。
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Strategy for Future Research Activity |
当初、本研究課題は反復練習による即時効果の影響を基にした長期介入研究による検討をすぐに行う予定であったが、新たな解析方法である筋電図間コヒーレンス解析を用いた追加測定を行う形に研究計画を修正し、脳卒中患者における筋の同時活動が生じる背景に関して興味深い結果が得られた。また、経頭蓋電流刺激による歩行訓練の長期介入を現在開始しており、神経可塑的変化とともに脳卒中患者の運動介入効果を検討していく予定である。
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Research Products
(6 results)