2014 Fiscal Year Annual Research Report
昆虫の新規匂い源定位メカニズム Aim-then-shoot 機構の研究
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13J02499
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
手嶋 伸 京都大学, 農学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | フェロモン / 定位 / 行動 / 走風性 / Aim-then-shoot / 昆虫 |
Outline of Annual Research Achievements |
蛾類では従来、視覚に依存した風上への匂い源定位のみが行われていると考えられていた。しかし本研究代表者は、ジャガイモガにおいて機械感覚による地上での風向定位を伴うAim-then-shoot 型匂い源定位機構を見出した。本研究課題は、これまでまったく研究がなされてこなかった本定位機構の行動メカニズムの詳細と全容を明らかにすることを目的としている。 平成26年度研究達成状況: (1) 匂い情報・風向情報の利用タイミング解明: 移動運度補償装置サーボスフィアおよびトラックボール(後述)上にてノシメマダラメイガの行動実験を行い、当該課題について検証した。フェロモン刺激のパルス密度を変化させることで機械感覚・化学感覚の時間的統合を、また触角の切除・固定処理を組合せることによって空間的な統合を検証できることが示唆されたため、データの収集・解析を遂行している。 (2) アルゴリズム詳細の解明: サーボスフィア装置の仕様では不可能となっている、その場での転回行動を検出するため、トラックボール装置を開発した。これは下からの気流により摩擦抵抗無しに浮遊するスチロール球に、胸部を固定された昆虫の脚を接地させ、各種感覚刺激を与えることで脚の運動 (= 歩行) によるスチロール球の動きを計測する装置である。この装置上でノシメマダラメイガの行動を解析し、前述の課題と共にデータの収集・解析を行っている。 (3) 年次計画外: 小蛾類の交尾行動実験装置の作成: ジャガイモガの交尾行動を誘発する感覚刺激の統合を解明するため、電磁バルブによる匂い刺激制御が可能な小型風洞装置を作成し、記録観察を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度年次計画のうち、1に関しては計画以上の進展を見せ、重大な進展が得られた。2に関しては予定外の実験装置作成が必要だったものの完了し、本実験に移行している。これらの状況を勘案し本研究課題は、②おおむね順調に進展している。といえる。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き計画に則り、Aim-then-shoot 機構の行動メカニズムの解明を目指す。実験生物としては平成26年度計画からノシメマダラメイガへと移行しているが、昨年度に引き続き移動運動補償装置やトラックボール装置を用いてAim-then-shoot機構のアルゴリズムをさらに深く検証し、次年度予定している視覚刺激の関与の検証と合わせて本定位機構の全容を記述することを目的とする。
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Remarks |
【受賞】 日本比較生理生化学会 第36回大会 発表論文賞 大会委員長賞、日本比較生理生化学会、2014 年 8 月 1 日
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