2014 Fiscal Year Annual Research Report
点素パスパッキング問題に対する離散構造の解析と組合せ的アルゴリズムの構築
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13J02522
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山口 勇太郎 東京大学, 情報理工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | Group-labeled graph / Disjoint paths / グラフ理論 / 離散最適化 |
Outline of Annual Research Achievements |
・東京工業大学の河瀬氏、東京大学の小林氏との共同研究により、群ラベル付きグラフ (Group-labeled graph) 中のパスに関して、新たな視点・枠組みによる理解を深めた。1つのラベルを禁止するような2点間のパスを見つけることは難しくない、ということは既に知られていたが、任意の2つのラベルを禁止した場合にも効率的に見つけることができる、ということを、グラフの幾何的な性質に着目することで示すことができた。このように、グラフの組合せ的な性質のみに囚われない視点を併せ持つことで、点素パスの構造を解明することにつながることが期待される。 ・研究室内での議論から発展する形で、離散最適化手法を実応用的な分野に適用する研究も行い、スマート・グリッド分野の国際会議での発表をし、同分野の査読付き論文誌への掲載が決定した。応用分野での扱いがそれほど盛んではない、ハイパーグラフを用いた最適化手法を、実応用的な分野に適用できたことにより、本研究のテーマである点素パスに関する手法も、他分野に応用できる可能性が示唆される。 ・上の応用研究から派生した疑問を追究し、ハイパーグラフのカットに関する理論的な側面の研究を行った。未だ完全解明には至っていないが、ハイパーグラフのカットと、最適化において非常に重要な概念である劣モジュラ性の関係を扱うことで、グラフという具体的な対象における組合せ構造と、マトロイド・劣モジュラなどの、それらを取り巻く抽象的な概念との結びつきを考察する助けになることも期待される。 ・国内5件、国外2件と、これまでに得られている成果を精力的に発表することで、様々な研究者と議論・意見交換をし、多数の有用なフィードバックを得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題の最終目標である「ある種の組合せ的性質を満たすようにパスを制限した点素パス問題」は依然として解決に至っていないが、これまで考えられていなかった制限を課した問題を、グラフの幾何的な性質に着目することで解くことができた。これにより、新たな制限のクラスを考える方向性や、また、元の目標の問題に対する新たなアプローチが見出されている。 また、昨年度同様、精力的に外部で研究発表を行うことができ、いずれにおいても他の研究者達と有益な議論・意見交換を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までに得られた、新たな視点を取り入れつつ、目標である予想の証明とアルゴリズムの構築を行う。
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Research Products
(8 results)