2013 Fiscal Year Annual Research Report
ダイナミックな動作中の筋と腱の動態を実測する新たな手法の確立
Project/Area Number |
13J03159
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
福谷 充輝 立命館大学, 総合科学技術研究機構, 特別研究員(PD)
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Keywords | アキレス腱 / 超音波 / MRI / 再現性 / 妥当性 |
Research Abstract |
近年、腱が運動パフォーマンスに影響を及ぼすことが示唆されており、動作中の腱の長さ変化が多くの研究で検証されている。しかしながら、現状の計測手法は、腱の末端の移動距離から全体の長さ変化を推定したものや、推定式により求められたものであり、腱の全長を直接計測したものはない。この現状を打破するため、超音波とビデオカメラを用いた新しい計測手法を考案し、2013年度は、その再現性および妥当性を検証した。新しい計測手法の手順は以下に示す。まず、超音波によってアキレス腱全体の位置を確認した後、その上にマーカーを貼付し、マーカーの3次元座標をビデオカメラ画像から算出した。加えて、皮膚上に貼付したマーカーでは追従することの出来ない、運動に伴って移動するアキレス腱上端を超音波により記録し、超音波プローブの位置および方位で補正することで、アキレス腱上端の3次元座標を求めた。これらの3次元座標間の距離を足し合わせることで、アキレス腱全体の長さを実測した。再現性は、計測を2回実施することで確認した。妥当性は、Magnetic Resonance Imagingによって得られた値と比較することで確認した。その結果、非常に高い再現性および妥当性が確認された。加えて、Bland-Altman plot解析により、アキレス腱長計測の系統誤差がないことも確認された。これらの結果から、申請者が考案した手法は、アキレス腱長を計測する有用な手法であると判断した。したがって、今後は、この新しい手法を用いて、ダイナミックな運動中の腱長変化を計測する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、初年度に手法の有用性が確認出来たため。加えて。2年目に行う予定である、動的な運動中の筋および腱の長さ変化を計測する実験の予備実験も開始することが出来たため。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定通り、2年目は、動的な運動中の筋および腱の長さ変化動態を観察する実験を行う。そのために、必要な機材、実験環境を整備する必要がある。加えて。2年目のうちに、3年目の実験課題であるトレーニング実験実施に向けて、適切なトレーニングの種類、運動強度、運動時間等を、乳酸のような内分泌応答をもとに決定する作業も、2年目に実施する。
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Research Products
(6 results)