2014 Fiscal Year Annual Research Report
ダイナミックな動作中の筋と腱の動態を実測する新たな手法の確立
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13J03159
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
福谷 充輝 立命館大学, 総合科学技術研究機構, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 骨格筋 / 腱 / アキレス腱 / 超音波 / MRI |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、主に、海外滞在システムを利用し、カナダ・カルガリー大学にて研究を行った。申請者は、身体運動中の力発揮メカニズムを解明するため、筋で生成された力を骨に伝える役割を有する腱 (主にアキレス腱を対象) の動態、すなわち長さ変化を計測する新しい手法開発に取り組んでいる。現状、申請者の考案した手法は、測定精度に問題点を有している可能性がある。しかしながら、そもそもヒト生体においては、腱の長さ変化の真値そのものが計測困難なため、申請者が考案した手法の精度が十分なものかどうか (測定結果が正しいのか否か) を判断することが難しい。そこで、まずは、より簡便に真値が実測できるであろう動物実験を対象とし、力発揮中に腱がどのような挙動を示すのかを確認した。その結果、ヒト生体で報告されてきたような長さ変化 (ストレインにして10-15%) は認められず、非常に小さな長さ変化 (ストレインにして最大でも5%、場合によっては1%以下しか認められなかった。なお、申請者が考案した、ヒト生体を対象とした新しい測定手法においても、ストレインは従来の研究よりも小さな値が出る傾向にある。これらのことを踏まえると、これまでにヒト生体を対象にして報告されていた腱の長さ変化、すなわち腱の身体運動への貢献は再検討する必要がある。今年度は、このヒト生体を対象とした腱の長さ変化の測定手法およびその問題点についての解説記事を執筆した。来年度は、これらの問題 (先行研究で用いられていた計測手法では、なぜ過大評価に繋がるのか) を明確に示した上で、より正確な腱の身体運動への貢献について検証をすすめていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
申請者が考案した方法では、下腿三頭筋に貼付した超音波プローブが激しく揺れてしまうような状況では、測定精度が大きく低下してしまう。したがって、当初予定していたトレーニング介入実験の実施前に、超音波プローブの揺れへの対応を考える必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
現段階では、申請者の考案した手法では、超音波プローブの揺れが激しくなってしまうと、測定精度が大きく低下してしまうという問題を有している。これらの問題が生じる理由は把握しているため、あとは対策(超音波プローブの固定方法)を考え、測定精度を検証する。
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Research Products
(7 results)