2013 Fiscal Year Annual Research Report
Belle II実験への新型粒子識別検出器TOPカウンターの導入による新物理探索
Project/Area Number |
13J03438
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
佐藤 優太郎 名古屋大学, 現象解析研究センター, 特別研究員(PD)
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Keywords | 素粒子物理 / 加速器実験 / Belle II |
Research Abstract |
本研究は新型粒子識別装置TOPカウンターを開発し、Belle II測定器に導入し、Belle II実験での高い粒子識別能力の実現を目指している。 平成25年6月に大型放射光施設SPring-8のLEPS (Laser Electron Photon beamline at SPring-8)ビームラインの2GeV/電子ビームラインを用いてビームテストを行い、TOPカウンターの性能評価を行った。このビームテストには前年度に製作されたBelle IIに導入される実機TOPカウンターとほぼ同じ仕様のものを用いて、3つの入射条件においてデータを取得した。解析の結果、期待される性能に近い性能が達成できていることが確認されたが、細かい部分ではデータとシミュレーションの間で相違が見られたため、これは今後の課題である。次年度にもビームテストを予定している。 また、宇宙線を用いたTOPカウンターの性能評価のための宇宙線テストの準備を進めている。ビームテストではある決まった入射条件でのデータを取得したが、実際には様々な位置・角度で粒子が入射してくる。宇宙線テストでは、特にビームテストで取得できなかった大角度で入射してくる条件でのデータ取得を目指している。これまでに、トリガーカウンター、ベトーカウンター、TOPカウンターに入射してくる宇宙線の位置を決めるためのドリフトチューブをTOPカウンターの周りに設置して、コミッショニングを行っている。 ビームテストの結果も含めて、現在のTOPカウンターの開発・進展状況について、研究会ICEPP Symposium (2014/02/24, 白馬)にて口頭発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度のビームテストによって、石英輻射体端面を全て光検出器で覆った条件でのリングイメージを初めて取得した。ビームテストで得られたデータとモンテカルロシミュレーションを比較することで、TOPカウンターのシステム全体の理解を深めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度のビームテストでは3つの入射条件におけるデータを取得したが、あらゆる入射条件でTOPカウンターの性能が発揮されることを実証することが重要である。そのため、ビームテストでは得ることの難しい入射条件でのデータを宇宙線テストを用いて取得していく。 また、次年度にもビームテストを行い、データとモンテカルロシミュレーションとの違いの原因を追究していく。
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