2014 Fiscal Year Annual Research Report
リン酸化定量プロテオミクスによるT細胞の正負選択機構の解明
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13J03508
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
舟崎 慎太郎 九州大学, 医学系学府, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | T細胞 / リン酸化プロテオミクス / シグナル伝達 / 正負の選択 |
Outline of Annual Research Achievements |
獲得免疫の中心的役割を果たす胸腺T細胞は、「正負の選択」と呼ばれる選択機構を経て成熟する。本研究では、TCR刺激に依存するリン酸化変動の違いという視点から、胸腺における正負の選択と呼ばれる運命決定機構を明らかにすることを目的とする。
昨年度までに、マウス由来の胸腺T細胞にテトラマー試薬を用いて正と負の選択刺激を誘導する方法を構築しており、これによってPhospho-iTRAQ法によるリン酸化変動の網羅的解析を行った。その結果、5,234個の異なるリン酸化部位についての定量データを得た。このリン酸化変動データより、負の選択刺激と正の選択刺激で異なる変動を示すいくつかのリン酸化部位について抽出を行った。これらの分子について,in vivoでの正負の選択への影響を評価するためにFTOCによるレトロウイルス遺伝子導入を用いた評価システムを構築した。この方法を用いて、これまでに同定したリン酸化変動を示す分子に対するshRNAノックダウンを行い、抽出した分子に関して正負の選択へ与える影響を検証しているところである。 また、より詳細なリン酸化変動データを得るために、複数の正または負の選択を誘導するテトラマー試薬をNIH Tetramer Core Facilityより新たに合成をした。これらをテトラマー用いることで、データ取得も同時に行っており、引き続いて得られたデータより新たなリン酸化部位の同定、抽出も進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
既に取得したリン酸化データよりいくつかの分子に対して、T細胞分化への与える影響をFTOCによる系で評価しているところである。また、新たに入手したテトラマーを使用した複数のテトラマーを用いたリン酸化データ取得も進めており、さらなる候補分子の探索も続けている。
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Strategy for Future Research Activity |
FTOCによって影響の確認できた分子についてはノックアウトマウスによる評価を進める。 研究は順調に推移してきており、特段研究計画の変更点や問題点等はない。今後も研究計画に沿って着実に研究を遂行する予定である。
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