2013 Fiscal Year Annual Research Report
脳由来神経栄養因子(BDNF)の巨核球分化成熟過程に対する病態生理学的意義の解明
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13J04623
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
田村 彰吾 山梨大学, 医学工学総合研究部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 脳由来神経栄養因子(BDNF) / 巨核球 |
Research Abstract |
平成25はin vitroにおける造血細胞の巨核球分化誘導法の構築とマウス骨髄からのnative巨核球の採取方法の条件検討に取り組み、それぞれの方法の確立に至った。 1. 造血幹細胞からの居割球分化誘導法の構築 巨核球の分化成熟過程に対するBDNFの機能および作用時期を解析するために、造血幹細胞から巨核球へのin vitro分化誘導法を構築した。巨核球の分化誘導に供する造血幹細胞および巨核球前駆細胞マウス骨髄および胎児肝臓から分離し、thrombopoietin存在下で分化誘導可能であることを確認した。 2. マウス骨髄巨核球の分離方法の確立 In vitroで分化誘導した巨核球はinviv.巨核球の性質を必ずしも全て反映していない可能性が考えられるため、本研究ではマウス骨髄内容物から分離した巨核球も解析対象とし、その分離方法を構築した。分離した巨核球からto。talRNAを抽出後、cDNAを作製し、TaqMan probe法によるqRT-PCR実施への一連の解析方法を構築した。また、細胞学的機能解析としてproplatelet formation assayの条件検討を実施した。 3. 巨核球の分化成熟段階の評価方法の構築巨核球の分化成熟段階は細胞表面のCD抗原と核の多倍体化(ploidy)で評価する。核の多倍体化はFACSによるpopidium iodide染色により評価が可能であり、CD41陽性細胞でゲーティングした巨核球系細胞のPl染色強度からmean ploidyを算出する方法を構築した。CD抗原による成熟の評価はFACSでCD41とCD42bの発現量を検討することにより実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度はin vitroにおける造血幹細胞の巨核球分化誘導法の構築とマウスの骨髄からのnative 巨核球の採取方法の条件検討に取り組み、それぞれの方法を確立するに至った。In vitro分化誘導もしくは骨髄から分離した巨核球の評価はフローサイトメトリー法により実施し、核の多倍体化と細胞表面CD抗原による成熟度の判定方法を確立した。FACS Ariaによる造血幹細胞や巨核球のソーティング技備の導入が遅れたため、当初平成25年度内を予定していたBDNFノックアウトマウスの導入はまだ達成できていないが、全体的には概ね計画通りの進捗と判断し、期待通りの研究進展であると評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の今後の方針は、H25年度内に構築した各種実験手法を基に、脳由来神経栄養因子(BDNF)の巨核球に対する分化成熟への影響の検討に着手する。まずはじめにin vitroの実験系でBDNFの巨核球前駆細胞に対するclonal expansionの解析を行い、続いて巨核球の成熟に関する影響を検討する。In vivo系におけるBDNFの巨核球・血小板機能に関する検討はBDNFノックアウトマウスを導入し、BDNFノックアウト骨髄キメラマウスを作製することによって実施する。BDNFノックアウトマウスはH26年度上半期での導入を目指し、諸手続きを進める。
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Research Products
(6 results)