2014 Fiscal Year Annual Research Report
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13J05281
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
仲屋 友喜 京都府立医科大学, 医学研究科, 特別研究員(SPD)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | マクロファージ / 自己免疫疾患 / 内在性レトロエレメント / TREX1 / AIM2 / Type-I IFN |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度からは、海外渡航制度を利用して、米国ペンシルベニア大学のSusan Rossの研究室で、内在性レトロウイルスに関する研究を開始した。当初の申請書に記載したウシ内在性レトロウイルスやコアラレトロウイルスに関する研究は、サンプルの運搬が困難なこと、Susan Rossのグラント内容に合致しないことなどから、平成26年度は研究を進めていない。しかし、平成25年度までに進めていた、ウシ内在性レトロウイルスのエンベロープ成熟過程に関する研究の一部をまとめた論文は平成26年6月にJournal of Virologyに掲載された。 内在性レトロトランスポゾンやミトコンドリアに由来する細胞質内DNAは宿主細胞にとって不要なものであり、すみやかに排除される必要がある。その役割を担う主な分子がTREX1という3’→5’DNAエキソヌクレアーゼである。TREX1など細胞質内DNAの消化機能に異常がある場合、それらDNAが細胞質内に蓄積し、結果としてDNAを認識する細胞質センサー分子が下流のシグナル伝達経路を活性化し、過剰なインターフェロン反応や炎症反応などを引き起こし、自己免疫疾患様の症状を呈する場合がある。しかしながら、この現象の原因となる内在性レトロウイルスや細胞質DNAセンサーは特定されていない。そこで、その内在性レトロウイルスと細胞質DNAセンサーを同定することを目的として、実験を開始した。siRNAを用いたスクリーニングをマウスのマクロファージで行った結果、Absent in Melanoma 2(Aim2)が内在性レトロトランスポゾンを介したType-I IFNシグナルを抑制することが示唆された。また、このType-I IFNシグナルはStingという分子を介した経路依存的に活性化することが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初とは研究計画が変わってしまったが、今年度の目標の一つであった表現型を得ることができたため、本研究はおおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は、AIM2によるType-I IFN抑制のメカニズムを、PCRアレイや免疫沈降法など用いて明らかにする。また、Type-I IFN反応を誘導する内在性レトロエレメントの種類を明らかにする。
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Research Products
(2 results)