2013 Fiscal Year Annual Research Report
微細化SRAMにおける消費電力1桁改善技術及びSER導出ツールの開発
Project/Area Number |
13J05537
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
吉本 秀輔 神戸大学, 大学院システム情報学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | SRAM / ソフトエラー / 低電力回路技術 / 高信頼設計技術 |
Research Abstract |
本年度の成果として, 国内学会では, 四月に茨木のメモリ研究会において口頭発表, 五月に北九州のLSIワークショップにおいてポスター発表を行い, 国際学会では, 六月に大阪(IMFEDK)・七月にサンフランシスコ(NSREC)・九月にサンノゼ(CICC)にて3件のポスター発表を行った. メモリ研究会・LSIワークショップ・IMFEDK・NSRECにおいては, ソフトエラー導出ツールフロー技術及びソフトエラー耐性を高めたレイアウト技術に着いて報告を行った. 提案技術では, 日本原子力研究開発機構が開発した粒子・重イオン汎用モンテカルロコードPHITSを利用した. PHITSでは中性子衝突による放射線エネルギの計算を1秒間に10,000イベント以上計算することができ, 電磁界シミュレータより8桁以上高速にモンテカルロシミュレーションを行うことができる. 上記の発表では, 提案技術を用いて, 提案セル構造の評価について報告を行った. CICCにおいては, 部分デイスチャージ技術を用いたSRAMの低電力化回路技術について提案と報告を行った従来, アクセスされた同一行のビット線は, アクセス対象か非対象かに関わらず充放電が行われていた提案技術では, 必要なアドレスパスでのみ, 読出しポートのソース線をグランドレベルに接続することで, 不要な充放電電力を削滅できた. 提案する部分ディスチャージ技術を, 40nm17Kb8TSRAMとしてチップ試作を行い実測評価を行った. 提案技術を用いる事により, 63%の読出しエネルギ削減(50MHz動作時), 52%の読出しエネルギ削減(5MHz動作時)を達成した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は, SRAMの消費電力を削減するアドレス先渡し技術の実装と評価を行い, 実測にて改善効果が示された. また, ソフトエラー評価技術を確立し, 提案セル構造の効果も示された. おおむね当初の計画通りに順調に進展していると考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
今後, 提案SRAM技術を画像処理技術へ応用した場合の効果の実証と, ソフトエラー導出ツールの高性能化及びソフトエラー対策セル構造の提案などを行っていく. 本年度に提案した部分ディスチャージ技術は, 画像処理アプリケーションへの適応が有力と考えられ, アプリケーション応用を行った場合の改善効果について来年度に実証する. ソフトエラー導出ツールの高性能化についても, 実測結果とのフィッティングを行なうなど, 実環境のデータを用いた精度向上も目的の1つとする.
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Research Products
(5 results)