2014 Fiscal Year Annual Research Report
複数のアントラセン環を有する芳香環ナノチューブの構築と機能開発
Project/Area Number |
13J07484
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
萩原 啓太 東京工業大学, 総合理工学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | アントラセン / 分子ナノチューブ / ホスト-ゲスト化学 / 蛍光性 / 水溶性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、複数のアントラセン環で囲まれたナノ空間を有する分子ナノチューブの構築を行い、ホスト-ゲスト間の疎水性効果やπ-π相互作用を駆動力とした様々な有機分子の選択的内包と、それに伴う発光性制御を目指した。これまで、我々は4つのアントラセン環を構成要素として芳香環のみから成る分子ナノチューブを段階的なカップリング反応と官能基変換によって合成した。また、そのX線結晶構造解析により約1 nmの内部空間を有することを明らかにした(K. Hagiwara, M. Yoshizawa, et al., Chem. Commun. 2012, 48, 7678-7680)。本年度は、3つまたは4つのアントラセン環からなる水溶性分子ナノチューブの合成、水中での分子内包と特異な分光学的性質の観測に成功したので報告する。 4つのアントラセン環からなる分子ナノチューブは外面に親水性官能基を導入して水溶化を達成して、水中での種々の蛍光性色素分子の内包と内包錯体の蛍光特性を明らかにした。クマリン色素は分子ナノチューブの内部空間に、疎水性およびπ-スタッキング相互作用により定量的に2分子内包された。このクマリン2量体はチューブ骨格のアントラセンからの効率的なエネルギー移動によって、特異的にエキシマー発光を発することを明らかにした。 また、新たに3つのアントラセン環からなる分子ナノチューブを設計して、高い対称性と小さな内部空間を有するチューブ状構造体の合成に成功した。この分子チューブは外面に6個の親水基と開口部位に12個のメトキシ基を有し、0.8 nmの内径と1.3 nmのチューブ長の筒状構造であることをNMR、質量分析および最適化構造より明らかにした。この内部空間には、直鎖状炭化水素や芳香族分子を疎水性およびCH-π相互作用により内包した。また、内包錯体形成による蛍光強度の増大を明らかにした。
|
Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(6 results)