2013 Fiscal Year Annual Research Report
海洋環境と共生できる係留相反転方式潮流発電ユニットの研究開発
Project/Area Number |
13J07585
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
臼井 祐太 九州工業大学, 大学院工学府, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 潮流発電 / 潮流 / ブレード / タンデムプロペラ / 発電機 / 水槽実験 |
Research Abstract |
過去の研究成果である相反転方式風力発電ユニットの設計法を基に, 前後段プロペラ用ブレードの設計を行った. プロペラは半径の大きい位置での仕事が重要であるため, 前段プロペラ用ブレードは半径の小さいハブ側では抗力の小さい対称翼を用いて無負荷状態(ブレードに働く揚力と抗力の合力が軸方向を向く)になるように設計し, 残りの半径の大きいティップ側では大きな仕事を行うように, 半径位置によらず好適な迎え角となるようにひねりを与えた. 後段プロペラ用ブレードは, 数値シミュレーションにより求めた前段プロペラ後流の流れを流入条件として, 半径位置によらず好適な迎え角となるようにひねりを与えた. これらのブレードから成る前後段プロペラと, 発電機の回転子の代わりに, 前後段プロペラの内外軸間に摩擦トルクが調節できる接触面を設けた模擬発電機を搭載したモデル潮流発電ユニットを設計製作し, 風洞実験と水槽実験により基本性能を実験的に把握した. 前後段プロペラの出力はブレード取付角に影響し, 前段5度, 後段10度付近で最高出力が得られた. 今回使用したプロペラは風洞試験を念頭に設計しているため, 今後は潮流発電用に翼弦長を長くして低回転数, 高トルク, さらに水中におけるキャビテーション特性も考慮して設計する必要がある. したがって, 翼型形状の改善も含めた最適設計に向けた数値シミュレーションを既に開始している. 支柱に設置したモデル潮流発電ユニットの支柱に働く水流方向の力は, 当然ながら流速の2乗に比例しており, またタンデムプロペラの特徴である回転トルクの相殺により, 外部に力が発生していないことが確認された。この特徴から, 本潮流発電ユニットはワイヤ一本のみでの係留が可能であり, 係留式モデルユニットにより実現可能であることを実証した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通りモデル潮流発電ユニットを設計・製作し, 風洞実験及び水槽実験によりその基本性能の把握を行うことができ, 本研究の最大の特徴であるワイヤ一本による係留が実現可能であることを実験的に実証した.
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究成果, ならびに数値シミュレーションを併用して高出力プロペラ形状の設計法を考案し, 実際に製作して風洞実験及び水槽実験により検証を行う. これまでの風力発電用のプロペラとは異なり, 潮流発電用プロペラでは, 翼弦長を長くすることでトルクを増加させ, 回転数を抑制するなど, 水中におけるキャビテーションを考慮する必要がある. したがって, 翼面上の急激な圧力低下を抑える翼型形状を含めた好適化を行う. このとき, 流れの剥離や翼端渦による水中騒音の抑制も考慮し, 魚類との共生できる発電ユニットの開発を行う.
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Research Products
(10 results)