2014 Fiscal Year Annual Research Report
漫画に対する画像処理 (漫画の特徴を考慮した検索とリターゲティング)
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13J07696
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松井 勇佑 東京大学, 情報理工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 漫画 / 画像検索 / 近似最近傍探索 / スケッチ / データセット |
Outline of Annual Research Achievements |
研究の目的である漫画に対するスケッチ検索の実現,及び漫画に対する応用的画像処理に向けて,私は今年度に以下の三つを実現した. (1)スケッチによる漫画検索:私は昨年度に提案したスケッチによる漫画画像検索手法をより高速・省メモリ化(objectnessと直積量子化の導入)した.これにより,総計21800ページの漫画画像データに対するスケッチ検索を60ms程度,8GB程度のメモリ消費で行うことができることを示した.これらについて,昨年度の内容が国際会議ICIPに採録され,またHCGシンポジウムにて和文投稿した内容が最優秀インタラクティブ発表賞を受賞した.その内容について現在和文論文誌に投稿中であり,また上記の改良を加えたものを現在英文論文誌に投稿準備中である. (2)近似最近傍探索手法の提案:ベクトルの探索そのものにも焦点を当て,数学的・理論的に探索を高速化する研究も行った.近年の最新の手法は様々なパラメータチューニングが必要である,およびデータ構造が複雑になるという欠点があった.私はそれを解決するため,ハッシュテーブルを用いて,直積量子化コードに対し直接近いものを計算するデータ構造とアルゴリズムを提案した.提案手法はコードさえ設計すればそれ以上のパラメータ調整が必要でない,実用的に有効なものである.現在国際会議に投稿中である. (3)データセットの構築:私を含む相澤研究室漫画グループは,非営利の漫画書籍収集団体との交渉を通じて,研究目的でパブリックに利用できる漫画画像データセット,「Manga109」を構築した.これは一冊平均200ページほどの漫画単行本109冊から成り,全てプロフェッショナルの漫画家によって描かれ出版されたものである.漫画画像処理研究の分野において,このようなプロによる大量の画像を含むデータセットは存在せず,世界で初めて成し遂げられたものである.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
私の研究計画である(1)漫画画像特徴量記述,(2)効率的インデクス,(3)大規模実装,のうち,2013年度に(1)を実現し,2014年度に(2),および(3)のためのデータセットの構築を終えたため,おおむね順調である.
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Strategy for Future Research Activity |
提案した特徴量,インデクス構造,構築したデータベースを用いて,大規模実装を実現する.加えて,それをデータソースとして用いた,応用的漫画画像処理も追及する.
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Research Products
(8 results)