2015 Fiscal Year Annual Research Report
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13J08344
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
白 楊 名古屋大学, 文学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 欧文脈 / 代名詞 / 三人称代名詞 / 不定代名詞 / 再帰代名詞 / 翻訳語 / 欧化語法現象 / 日中対照 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、研究テーマと研究目的をもとにして、具体的には、以下の三点を達成した。 (一)、研究対象をさらに限定し、研究の方向性を明らかにした。欧文脈は、名詞から文法表現まで、幅広く存在するのである。また、大島正二(2011)『中国語の歴史‐ことばの変遷・探究の歩み‐』においては、中国語の「欧化語法現象」が11項目挙げられている。今年度は、先行研究を分析した上で、これらの項目から、日中両国語を対照しながら、共通性のあるものとして三人称代名詞「彼・彼女・彼等」、不定代名詞「一種・一個」、再帰代名詞「自分・自身・自己」の三つを選んだ。これにより、研究対象がさらに限定され、研究の未来性がよりはっきりしたのである。 (二)、今後の研究に必要とされる先行研究、及び調査資料を収集し、リストを作成した。今年度は、日本近代翻訳小説、近代からあった新聞記事、及び中国近代翻訳著作、特に「日本語訳を介した翻訳著書」を調査し、資料リストを作成した。一方、近年中国においては、「欧化語法現象」が研究されるようになった。これらの先行研究を集め、研究方法を勉強した。これらの資料リストと先行研究は今後の研究においても役立つと思う。 (三)、研究対象から一つを選んで、調査資料から用例を集め、論文を作成し、学会で口頭発表をした。今年度は、集めた資料を調査し用例を収集した上で、三人称代名詞「彼・彼女・彼等」について具体的に考察を行った。作成した論文「訳語『彼・彼女』について」を国語学懇話会で口頭の形式で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
近代語彙と近代語法については、含めた内容が非常に多い。また、欧文脈というと、名詞から文法表現まで、幅広く存在するのである。森岡健二(1999)『欧文訓読の研究―欧文脈の形成―』においては、欧文脈について系統的に述べている。また、欧化語法現象については、 王力(1944)『中国語法理論』、袁進(2006)『中国文学的近代変革』、呉暁峰(2008)『国語運動与文学革命』、賀陽(2008)『現代漢語欧化語法現象研究』などがあげられる。また、大島正二(2011)『中国語の歴史‐ことばの変遷・探究の歩み‐』においては、中国語の「欧化語法現象」が11項目挙げられている。今までは、これらの先行研究を勉強し、分析したうえで、これらの項目から、日中両国語を対照しながら、共通性のあるものとして三人称代名詞「彼・彼女・彼等」、不定代名詞「一種・一個」、再帰代名詞「自分・自身・自己」の三つを選んだ。これにより、研究対象がさらに限定され、研究の方向性が明らかにした。 最初は具体的な研究対象を限定するには、やや時間がかかったが、具体的な研究対象を決めると、研究が順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今までは、研究テーマと研究目的をもとにして、具体的には、以下の三点を達成した。 (一)、研究対象を三人称代名詞「彼・彼女・彼等」、不定代名詞「一個・一種」、及び再帰代名詞「自分・自身・自己」に限定し、研究の方向性を明らかにした。 (二)、今後の研究に必要とされる先行研究、及び調査資料を収集し、リストを作成した。 (三)、研究対象から三人称代名詞「彼・彼女・彼等」を選んで、調査資料から用例を集め、分析し、その結果をまとめ、「訳語『彼・彼女・彼等』について」をテーマに、学会で口頭発表をした。 今後は、(一)の研究対象を中心に、(二)にまとめた資料を調査し、(三)で試みた研究方法を用い、語の成立過程、使用方法、翻訳状況、類語との区別などの面から、具体的な研究を進んでいきたい。
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Research Products
(1 results)