2014 Fiscal Year Annual Research Report
J.デリダにおける〈存在〉と〈他者〉:R.ラポルトの音楽概念との関わりを中心に
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13J08880
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高山 花子 東京大学, 総合文化研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ロジェ・ラポルト / ビオグラフィ / ブランショ / 音楽 / 聴覚 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の二年目にあたる平成26年度は、主にロジェ・ラポルトの音楽概念の変遷をめぐる研究調査を行った。昨年度に引き続き、研究指導委託制度を9月まで利用し、パリ第8大学においてブリュノ・クレマン教授の指導のもと研究を進め、フランス国内での資料収集・分析に取り組んだ。とくに、ラポルトにおいて音楽と結びつきが強いと考えられる「ビオグラフィ(伝記、生記述)biographie」の性格を明らかにするため、1940年代から1990年代の著作におけるこの語の用法を調査した。これらの成果は、2014年5月にポルトガルのリスボンで開催された国際学会6th Global Conference Storytelling: Global Reflections on Narrative、および同年11月のEast Asian Research Seminar for Graduate Students in Musicology(於東京大学)にて口頭発表した。 また、上記の主題と連動するモーリス・ブランショにおける音楽、および聴覚的な要素の読解を継続し、この成果を2014年7月の表象文化論学会第9回大会(於東京大学)および2015年1月のUTCP若手研究者ワークショップ「サルトルと共生の哲学」(於東京大学)において発表した。 今年度の夏、ラポルトの手稿分析に着手することがかない、上記の問題系をより緻密に見る基盤が整ったことも、大きな成果であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究は、当初の計画通り、ラポルトにおける音楽概念の精査に費やされた。細かい文献収集・分析が進んだだけでなく、南仏における手稿分析が予想以上に実り多いものであったため、本研究は当初の計画以上に進展したと言うことができる。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度以降も、引き続き資料調査とその成果の継続的な発表をおこなっていく予定である。とりわけ次年度は当初の研究計画にしたがい、ジャック・デリダにおける聴覚的な主題の分析を、これまでの研究成果とつなげる形で進めてゆくことを課題としたい。
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Research Products
(7 results)