2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13J10409
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
樋口 幸次郎 千葉大学, 理学研究科, 特別研究員(PD)
|
Keywords | 次数構造 / マス・プロブレム / П01クラス / 順序次元 / アルゴリズム的ランダム / 翻訳可能性 / Lindenbaum代数 |
Research Abstract |
本年度の筆者の研究は、次の三つに分かれる。1. マス・プロブレム、特にП01と呼ばれるマス・プロブレム、の次数に関する研究、2. 次数構造の順序次元の研究、3. Martin-Loefランダムネス(MLランダムネス)とKolmogorov-Lovelandランダムネス(KLランダムネス)に関する研究である。1については、マス・プロブレムの様々な次数構造の性質を解明した論文を、北陸先端科学技術大学院大学の木原貴行博士との共同研究として、学術誌において発表した。また、翻訳可能性の次数がIIO1マス・プロブレムの次数と考えられることに着目し、マス・プロブレムの他の次数との関係を明らかにした。この研究については、米子工業高等専門学校の堀畑佳宏博士との共同研究を本年度末より押し進めている。また、II01の次数の代表系の研究を行い、モデルによる代表系の存在を示し、さらに、神戸大学の倉橋太志博士との共同研究として、吉川紘史氏と横山啓太博士のRiceの定理のアナロジーを拡張し、Lindenbaum代数が分配束となるような論理の上の理論の非自明な主張集合を見つけるという問題も代表系となることを明らかにした。2については、次数構造の計算可能な側面を見出すことを動機として、種々の次数構造の順序次元を研究した。例えば、Muchnik次数構造の順序次元は連続体であることを示した。3については、MLランダムネスとKLランダムネスが一致するか否かの未解決問題を解くことを目標に、その中間のランダムネスの性質を研究し、例えば、MLランダムネスを、どんな単射な全域的計算可能関数による変換でもcomputableランダムであることとして特徴付けた。これらは筆者の研究目的である、様々な次数構造の諸性質を明らかにすることやあるランダムネスが別のランダムネスによって定義可能か否かを明らかにするといった目的に適った成果である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
様々な次数構造の諸性質を明らかにすることや、あるランダムネスが別のランダムネスによって定義可能か否かを明らかにするといった筆者の研究目的に適った成果を挙げ、また、次数構造の順序次元の研究などの独創的な研究の方向性を打ち出し、押し進めた。
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度の研究によって、様々な新しい共同研究を始め、現在も押し進めている。今後は、それらの共同研究者と密に議論を行って、研究を押し進めて行く。研究計画では、海外の長期滞在を計画していたが、共同研究者は、国内の研究者であるため、今後しばらくは国内を拠点として研究を行う。
|
Research Products
(8 results)