2014 Fiscal Year Annual Research Report
流行が伝播するプロセスの解明とコミュニティにおける社会規範を変える政策への応用
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13J10499
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鈴木 遼 東京大学, 経済学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 流行プロセス / ソーシャルネットワーク / オンライン教育 / 学習コミュニティ / プログラミング教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度の主な成果として、3つのトップカンファレンスにおける国際学会の論文投稿を行い受理された(全て査読有 り。うち2つは来年度発表予定)。一つは、昨年度から進めてきた研究を、WINE’14にて発表を行った。発表内容は、オンラインネットワーク上において、流行がどのように広がっていくかを理論モデルを立てそのモデルの検証を行ったものである。また、今年度は新たに、コミュニティ上における人間行動の応用事例として、オンライン教育をテーマに研究を行った。この研究は、 Human-Computer Interactionの研究者との共同研究として、特にプログラミング教育にフォーカスを 当てプロジェクトを進めた。具体的には、コンピュータサイエンスの授業でのプログラミング学習支援、及び行動分析を目的としている。この研究を行った背景として、昨今のオンライン学習の急激な成長がある。例えば、スタンフォード大学から始まったCourseraや、MITとハーバード大学が進めているるEdexなど、Massive Open Online Courses(MOOCs)と言われるオンライン学習が世界中で広まりつつある。MOOCsにおける授業は、世界中にいる学生が高品質の講義を受けられるというメリットが一方で、学生同士のインタラクションが少ない点や、クラス内でのディスカッションが難しい点が議論されている。こうした問題点を改善するために、我々はプログラミング教育支援ツールを開発し、提案を行った。このシステムを使い、学生間でどのようなインタラクションが行われているかを観察するユーザー評価実験を行う計画である。これらの研究成果は、学習コミュニティ内における人間行動の大きな理解につながり、更にはこれから広がるであろうオンライン教育に対する政策の提示に大きく貢献できると考えている。これらの成果の一部は、CHI’15 や、ICSE’15での国際学会への投稿を受理され、来年度の4月と5月にそれぞれ発表を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
現在までの達成度は、次の二点の理由から、当初の計画以上に進展していると考えている。①今年度は、3本の国際学会での論文が受理された点。②ヒューマンコンピュータインタラクション分野の研究者との共同研究により、より学際的な研究を行えた点。
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Strategy for Future Research Activity |
現在進めている研究プロジェクトについて、研究成果をまとめVL/HCC’15または、UIST’15のフルペーパーとして投稿することを考えている。また、実装後におけるユーザースタディーの評価に関しても、CHI’16への投稿へ向けて進めていく予定である。
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Research Products
(3 results)