2013 Fiscal Year Annual Research Report
GEMを用いた宇宙X線偏光計の開発と超強磁場中性子星(マグネター)の観測的研究
Project/Area Number |
13J11140
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
金子 健太 東京理科大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | X線偏光観測 / 光電子追跡型X線偏光計 / ガス電子増幅フォイル / コンプトン型偏光計 / X線偏光度測定 / マグネター / 多波長観測 / 可視・赤外線観測 |
Research Abstract |
今年度は、日本国内でのX線偏光計の製作、米国ブルックヘブン国立研究所(BNL)の放射光施設におけるX線偏光計の校正試験、「すばる」望遠鏡によるマグネターの赤外線観測を行った。 米国宇宙航空基地局ゴダード宇宙航空センター(NASA/GSFC)で開発が進んでいる光電子追跡型X線偏光計(以下、X線偏光計)は、衛星プロジェクトに向けた性能評価を優先して行うため、X線偏光計としての基本的な性能評価を行う上でスケジュール上の制約を受ける。私が所属する理化学研究所でX線偏光計を製作し、NASAでは手の届きにくいX線偏光計の基本的な性能評価を日本で行えるようにする。本年度は設計と製作、動作確認試験を行った。 また、NASAと共同開発を行っているX線偏光計の較正試験において、BNLの放射光施設で利用したビームラインX-19Aが照射するX線の真の偏光度が不明という問題点があった。真の偏光度を高精度で測定するためには、偏光に対する感度を表す変調因子が高い別の偏光計が必要となる。そこで、コンプトン散乱およびトムソン・レイリー散乱を利用した偏光計(コンプトン型偏光計)を製作し、ビームラインX-19AのX線偏光度の測定を行った。測定を行った5.9keV、7.0keV、10.0keVの3つのエネルギーで90%以上の偏光度を持つことがわかり、X線偏光計の校正試験の結果にフィードバックし、X線偏光計の正しいレスポンスを得ることができた。 10^<14>-10^<15>Gaussという超強磁場をエネルギー源としてX線を放射すると考えられているマグネターの一部は、赤外線・可視光の波長域でも対応天体を持ち、多波長での観測研究が盛んに行なわれている。未だに決定的な説のないマグネターからの赤外線・可視光放射メカニズムを解明するため、「すばる」望遠鏡の近赤外線分光撮像装置(IRCS)と188素子波面補償光学装置(AO-188)を用いて、赤外線・可視光に対応天体を持つマグネターSGR1806-20およびSGR0501+4516の測光観測を行なった。現在、本データの解析を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
日木国内でのX線偏光計の製作を今年度中に行い、来年度から性能評価試験を遂行する環境を整えることができた。また、X線偏光観測プロジェクトで開発を進めているX線偏光計の較正試験において、米国での実験をリードする役割となり、3つのエネルギーで偏光度を測ることでX線偏光計を正しく較正することができた。「すばる」望遠鏡によるマグネターの観測結果については、今年度に引き続き観測データの解析を進める。
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Strategy for Future Research Activity |
日本国内で製作したX線偏光計の動作試験・性能評価試験を行う。性能評価試験は、高輝度光科学研究センター(JASRI)の放射光施設(SPring-8)での実施を予定している。また、修士時代に行ったマグネター4U0142+61の赤外線波長域の観測データの解析結果の論文執筆、「すばる」望遠鏡によるSGR1806-20、SGR0501+4516の観測データの解析を引き続き行う。
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Research Products
(18 results)
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[Presentation] Performance Micro-pattern Gas Polarimeter2014
Author(s)
Teruaki Enoto, Kevin Black, Takao Kitaguchi, Joanne Hil-Kittle, Asami Hayato, Hannah Marlowe, Kenta Kaneko
Organizer
Suzaku-MAXI 2014 Expanding the Frontiers of the X-ray Universe
Place of Presentation
Ehime University, Japan
Year and Date
20140219-22
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[Presentation] 次期天文衛星搭載用X線CCD素子の性能評価 軟X線応答と特殊モード動作2014
Author(s)
片多修平, 林田清, 薙野綾, 中嶋大, 穴吹直久, 常深博, 佐々木将軍, 上田周太朗, 井上翔太, 幸村孝由, 金子健太
Organizer
2014年度宇宙科学シンポジウム
Place of Presentation
宇宙科学研究所
Year and Date
20140109-10
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[Presentation] ASTRO-H搭載用SXIの性能評価 応答関数と特殊観測モード2014
Author(s)
片多修平, 林田清, 中嶋大, 薙野綾, 穴吹直久, 常深博, 佐々木将軍, 上田周太朗, 井上翔太, 幸村孝由, 金子健太
Organizer
2014年度日本天文学会春李年会
Place of Presentation
国際基督大学
Year and Date
2014-03-01
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[Presentation] ASTRO-H搭載X線CCDカメラ(SXI)の軟X線応答2013
Author(s)
佐々木将軍, 林田清, 薙野綾, 中嶋大, 穴吹直久, 常深博, 上田周太朗, 定本真明, 片多修平, 幸村孝由, 金子健太
Organizer
2013年度日本天文学会秋李年会
Place of Presentation
東北大学
Year and Date
2013-09-11
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