2013 Fiscal Year Annual Research Report
選択的ミトコンドリア分解を司るタンパク質複合体の解析
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13J40092
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岡本 徳子 大阪大学, 生命機能研究科, 特別研究員(RPD)
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Keywords | 出芽酵母 / ミトコンドリア / マイトファジー / 品質管理 |
Research Abstract |
はじめに、マイトファジー誘導条件下、マイトファジーに必須なタンパク質Atg32の精製用tag付きコンストラクト、Atg32-3xStrep-8xHisをAtg32欠損株において発現し、これを精製することで、タンパク質複合体の構成因子候補としていくつかの因子が質量分析により同定された。それらの中には、E3ユビキチンリガーゼ、Rsp5やミトコンドリアタンパク質ATM1, SFC1, ETR1等が挙げられた。コハク酸、フマル酸トランスポーターであるSFC1, ミトコンドリア内での脂肪酸合成経路に関わるエノールチオエステル還元酵素、ETR1やRsp5においては、IP実験、Two hybrid Assayによって、相互作用が確認出来なかった。一方で、鉄代謝において重要な働きをしているミトコンドリア局在のABCトランスポーター、ATM1においてはAtg32と顕著な相互作用が確認された。さらに、Atg32の膜間スペースに突き出たC末側を削ったコンストラクト、atg32 (1-388)-TM-3HAnでは、ATM1との相互作用があきらかに減少し、Atg32とATM1のミトコンドリア膜間スペースでの相互作用の可能性が強く示唆された。しかしながら、ATM1の過剰発現やATM1の欠損によって、マイトファジーの活性自体には影響がみられないことから、これらの相互作用が、なんのために、またどのように、マイトファジー誘導時に働くのかは、現在のところ明らかとなってはいない。上記以外にもAtg32との相互作用因子候補として挙っている因子群は他にも存在し、これら因子群の更なる機能解析を進めることで、マイトファジーの活性化(または収束)のシグナリングにおいて、Atg32がどのように他のタンパク質群と協同して、機能しているのか、詳細な機序の理解を深めることが期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究目的である、マイトファジー誘導時における、マイトファジーに必須なタンパク質Atg32を中心としたタンパク質複合体の精製法を確立し、質量分析解析によって、その複合体の構成因子候補群の同定に至った。その後それら因子と、Atg32との相互作用の確認を行った。さらに、その因子群の機能欠損における、マイトファジー等への影響を調べる等、解析をすすめている。
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Strategy for Future Research Activity |
マイトファジー誘導時に機能していると思われる複合体の解析を通して、より詳細なマイトファジーの機能メカニズムの解明を目指している。マイトファジーに必須なAtg32を生化学的に精製し、共沈殿してくるタンパク質群の物理的なタンパク質問の相互作用は確認されているものはあるものの、これらの欠損によっては、マイトファジーそのものへの影響はみられない。よって、それらの相互作用因子は、マイトファジーを亢進する以外のところで働いている因子や間接的にマイトファジーのメカニズムに関わることも想定されうる。今後さらに詳細な遺伝的・生化学的解析が待たれる。
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Research Products
(1 results)