2013 Fiscal Year Annual Research Report
t(8;21)AML発症におけるAML1-ETOタンパク質の機能解析
Project/Area Number |
13J40160
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
奥村 晶子 (城尾 晶子) 名古屋大学, 理学研究科, 学振特別研究員(RPO)
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Keywords | t(8;21)AML / AML1-ETO |
Research Abstract |
まず、AML1-ETOgaとその新規結合タンパク質AEBP (AML1-ETO binding protein)の結合にっいて過剰発現系を用いた免疫沈降法によって確認し、結合部位を決定した。また、内在性タンパク質についてもヒト血球系細胞株であるK562細胞を用いて免疫沈降を行い、結合を確認した。更に、免疫染色法により、細胞内で共局在していることが示された。次に、DNA damageへの感受性を検討するために、HeLa細胞株を用いてCPTあるいはエトポシド処理によってDNA damageを与えた後に、AEBP、Histone H2A. X、TOPOIおよびTOPOIIの活性や発現量がどのように変化するのかということについて、Western Blotting法により調べた. また、ヒト血球系培養細胞株であるU937細胞株を用いてCPTあるいはエトポシド処理後のアポトーシスについて検討した。 また、K562細胞株を用いてAEBPのノックダウンを行い、遺伝子の転写活性化への影響についてレポーターアッセイを行って検討し、複数のターゲット配列について共通の結果を得た。更に、K562-AEBPノックダウン細胞株からRNAを抽出し、転写制御を受ける遺伝子についてアジレント発現アレイ解析を行って検索し、細胞のガン化やアポトーシスに関連する分子などを見出した。このように、AML1-ETOによる遺伝子の転写制御、あるいはAEBPによるDNA代謝について相互作用が示唆されたのは大変興味深い。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は、研究課題に関する最近の知見について情報収集を行い、研究の方向性を決定した。ヒトの血球系培養細胞株等を用いてAML1-ETOとその新規結合分子AEBPの活性や結合に関する生化学的な実験等を行い、DNA代謝や遺伝子の転写制御に関する興味深い結果を得ることが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
ヒトの血球系培養細胞株等を用いた生化学的な実験においてAML1-ETOとAEBPとの分子間結合が見られたことから、AML1-ETOによる遺伝子の転写制御、あるいはAEBPによるDNA代謝について相互作用が示唆されるため、過剰発現や発現抑制、変異体の導入などを行って検討する。また、発現アレイ解析のリストを基にRT-PCR法による確認とパスウェイ解析等を行う予定である。
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