2014 Fiscal Year Annual Research Report
t(8;21)AML発症におけるAML1-ETOタンパク質の機能解析
Project/Area Number |
13J40160
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
奥村(城尾) 晶子 名古屋大学, 理学研究科, 特別研究員(RPD)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | t(8;21)AML / AML1 |
Outline of Annual Research Achievements |
AML1/Runx1は造血に重要な転写因子であり、ETO/MTG8は転写抑制因子であることから、急性骨髄性白血病(AML)罹患患者の一部で検出されるAML1-ETOは、ETOの転写抑制機能によりAML1に対してドミナントネガティブに働いてAMLを引き起こす癌遺伝子である可能性が考えられるが、その分子機構は不明である。本研究はAML1-ETOタンパク質の機能解析によりt(8;21)AML発症のメカニズムを解明することを目的とする。我々は、co-factorからAML1-ETOの機能を明らかにするためにAML1-ETOの結合分子を検索し、特に興味深い新規AML1-ETO結合タンパク質(AML1-ETO binding protein, AEBP)について解析を行っている。 今年度、我々はヒトの血球系培養細胞株を用いてAML1の過剰発現あるいは発現抑制を行い、AEBPの発現量および活性に対する影響を調べた。次に、DNA損傷薬剤処理後にAEBPの発現量や活性がどのように変化するのかということについて、Western Blotting法および免疫染色法によって検討したところ、コントロール細胞とAML1を過剰発現させた細胞との間に差が見られた。これらの結果から、AML1の発現量は血球系培養細胞株におけるAEBPの発現量や活性に変化を及ぼし、DNA損傷薬剤に対する感受性にも影響するという大変興味深い知見が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ヒト血球系培養細胞株を用いて、AML1-ETOとその新規結合タンパク質AEBPとの関連について検討したところ、内在性タンパク質の発現量や活性、細胞の薬剤感受性などに興味深い相互作用が見られ、再現性も確認できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
急性骨髄性白血病においてAML1の様々な変異体が報告されていることから、ヒト血球系培養細胞株等を用いて、AML1の変異体発現下でのAEBPの発現量や活性への影響を検討する。
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Research Products
(1 results)