2002 Fiscal Year Annual Research Report
細胞膜通過性ペプチドによるp53標的蛋白導入法および蛋白置換療法の開発
Project/Area Number |
14030055
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
富澤 一仁 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (40274287)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松下 正之 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (30273965)
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Keywords | p53 / 遺伝子治療 / 蛋白セラピー / 癌 / 口腔癌 |
Research Abstract |
本研究により,以下のことを実施し,明らかにした。 1)11個のポリアルギニンをコードするcDNAをp53cDNAに付加し,発現ベクターに組み込んだ。 2)1)で作製したプラスミドを,大腸菌にトランスフォームし,11R-p53蛋白の発現に成功した。 3)大腸菌で発現させた11R-p53をニッケルカラム等で精製し,同精製蛋白を口腔癌患者由来でp53遺伝子の変異が認められるNOS-1細胞に導入した。11R-p53は,効率よく同細胞に導入されることが確認された。 4)NOS-1細胞に導入された11R-p53蛋白の局在について,蛍光免疫染色法にて検討したところ,核内に導入されることが確認された。 5)11R-p53の口腔癌細胞増殖抑制効果について検討するため,口腔癌患者から樹立した4種類の癌細胞に11R-p53を導入し,その増殖抑制効果についてWSTアッセイにて検討した。11R-p53は,有意にすべての癌細胞において,その増殖を抑制した。また,その増殖抑制効果は,既存のアデノウイルスを利用した遺伝子導入法と同程度であった。 6)また,11R-p53には,シスプラチンによる癌細胞アポトーシス誘導作用を有意に促進した。 以上の結果より,ポリアルギニンを利用したp53直接蛋白導入法が,新しい癌治療法として有用であることが確認された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Tomizawa, K., Ohta, J., et al.: "Cdk5/P35 regulates neurotransmitter release through phosphorylation and downregulation of P/Q-type voltage-dependent calcium channel activity"J. Neurosci.. 22(7). 2590-2597 (2002)
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[Publications] Li, S-T., Kato, K.: "Calcineurin Plays Differnet Roles in Group II Metabotropic Glutamate Receptor-and NMDA Receptor-Depentdent Long-Term Depression"J. Neurosci.. 22(12). 5034-5041 (2002)
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[Publications] Takenobu, T., Tomizawa, K.: "Development of p53 protein transduction therapy using membrane-permeable peptides and the application to oral cancer cells"Mol. Cancer Therapeutics. 1. 1043-1049 (2002)
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[Publications] 富澤一仁, 松下正之, 杉本直己, 松井秀樹: "遺伝子治療からタンパク質セラピーへ"化学. 57巻・9号. 50-55 (2002)