2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14035237
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
井上 邦夫 神戸大学, 理学部, 助教授 (40252415)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平岡 泰 情報通信研究機構, 関西先端研究センター, グループリーダー (10359078)
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Keywords | ゼブラフィッシュ / 生殖質 / mRNA局在化 / 生殖細胞 / microRNA(miRNA) / ミトコンドリア凝集体 |
Research Abstract |
mRNA局在化は、細胞内での情報に偏りを生じる重要な制御系である。本研究では『RNAの動くメカニズム』と『動くRNAを介したRNA情報発現ネットワーク』の解明を目指して解析を進めてきた。今年度の主要な成果は以下の通りである。 1)ゼブラフィッシュ4細胞期胚において、nanos1およびTDRD7 mRNAは生殖質(生殖細胞決定因子)に局在化するが、局在化しなかった余剰のmRNAは体細胞でmiR-430によりポリA鎖短縮化を介して発現抑制を受けることを明らかにした。この抑制制御は、生殖細胞形成プログラムの誤作動を防ぐ役割を担うと考えられる。一方、始原生殖細胞でもmiR-430は活性を持つが、生殖細胞特異的な機構によってnanos1およびTDRD7の発現抑制が解除されることを示した。 2)ゼブラフィッシュ生殖質構成因子であるdaz1,vasa, nanos1 mRNAが卵形成過程にミトコンドリア凝集体によって植物極に局在化することを明らかにするとともに、RNA結合蛋白質Hermesが共局在することを示した。また、各mRNAの局在化を再現するトランスジェニック実験系を構築し、生殖質がいくつかのステップを経て形成されることを見出した。
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Research Products
(6 results)