2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14036220
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岡田 清孝 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50101093)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
槻木 竜二 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (50303805)
石黒 澄衞 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (50260039)
|
Keywords | 器官形成 / 軸構造 / シロイヌナズナ / 遺伝子発現 / 分裂組織 / 細胞分化 / プロモーター解析 / 花形成 |
Research Abstract |
本研究では、シロイヌナズナの突然変異体を用いて、側生器官と側生分裂組織における背腹および左右の軸が決定され、これらの軸に依存して器官が成長する遺伝的な制御機構を解析する。軸の決定がなされる時期を調べ、軸の決定に関わる遺伝子を洗い出すことを第1の目標に、葉や花器官において裏表や縁に特異的な細胞の分化を促す遺伝子ネットワークの解析を第2の目標とした。2002年度は以下の成果を得た。 花芽分裂組織と花器官の形成と成長に関わるFIL遺伝子は側生器官(子葉、葉、花器官)の裏側(外側)で発現する。裏側特異的な発現にかかわる必要領域を12塩基対まで短縮した。この領域を欠失するとFIL遺伝子は表側と裏側の両方(葉の全組織)で発現する。また、この領域よりも転写開始点に近い約200塩基対を欠失すると、FIL遺伝子は表側と裏側のいずれにおいても発現がみられなくなることから、FIL遺伝子の上流領域のうちの転写開始点に近い領域には、側生器官原基の表側と裏側の双方で発現を誘導するシス配列が、また、より遠い領域には、原基の表側における発現を抑制するシス配列があると思われる。 Stage0-1のごく初期の花原基ではFlLとPRS遺伝子が花茎分裂組織を中心とする軸構造に沿った発現をしているが、stage2ではこのような花茎分裂組織に基づいた発現が低下する。しかし、stage3以降の花芽では、新たに形成される花器官の原基において、個々の花芽分裂組織を中心とする軸構造に沿って新たな発現が認められる。これらの結果から、Stage2が花芽分裂組織が花序分裂組織から『独立する』切り替え時期に当たるとの新たなモデルを提案した。
|
Research Products
(7 results)
-
[Publications] Sumie Ishiguro et al.: "SHEPHERD is the Arabidopsis GRP94 responsible for the formation of functional CLAVATA proteins"EMBO Journal. 21. 898-908 (2002)
-
[Publications] Eiko Kanaya et al.: "Non-sequence-specific DNA binding by the Filamentous flower protein from Arabidopsis thaliana is reduced by EDTA"J.Biol.Chem.. 277. 11957-11964 (2002)
-
[Publications] Tokitaka Oyama et al.: "The IRE gene encodes a protein kinase homologue and modulates root hair growth in Arabidopsis"Plant J.. 30. 289-299 (2002)
-
[Publications] Takeji Wada et al.: "Role of the positive regulator of root hair development, CAPRICE, in the epidermal cell differentiation of Arabidopsis root"Development. 129. 5409-5419 (2002)
-
[Publications] S.Schellmann et al.: "TRIPTYCHON and CAPRICE mediate lateral inhibition during trichome and root patterning in Arabidopsis"EMBO J.. 21. 5036-5046 (2002)
-
[Publications] Nobuyuki Takahashi et al.: "Hydrotropism in abscisic acid, wavy, and gravitropic mutants of Arabidopsis thaliana"Planta. 216. 203-211 (2002)
-
[Publications] 岡田清孝 他4名編: "蛋白質核酸酵素増刊号「植物の形づくり」"共立出版. 326 (2002)