2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14036223
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
島本 功 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 教授 (10263427)
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Keywords | イネ / 光周性 / 光中断 |
Research Abstract |
イネをモデルとして、短日植物における日長による開花制御の分子機構を明らかにすることを目的に研究を行っている。 (1)光中断効果の解析とその遺伝子発現に対する影響 我々は昨年度までにイネにおける光中断による開花遅延効果はHd3a遺伝子の発現抑制によって引き起こされ、光中断のターゲットがHd3aであることを明らかにした。つづいてファイトクロム欠損変異体のse5変異体にも光中断処理をし、Hd3aの発現解析を行った。この結果、se5変異体は光中断によるHd3aの発現抑制を示さないことが分かり、光中断によるHd3aの発現抑制はSe5依存的であることが明らかになった。また、光中断を暗期の前半や後半に与えた場合にはHd3aの抑制が非常に少ないことから、暗期の中央が重要であり、この中央部分でのHd3aの発現調節が非常に重要であることを明らかにした。 (2)イネFT様遺伝子群(FT-Ls)のFT-Lsプロモーター::gusの発現解析 イネFT様遺伝子群の植物体における発現解析を行うためにFT-L1、FT-L2(Hd3a)、FT-L3のプロモーター領域にgus遺伝子を連結したプラスミドをイネに導入した形質転換体を作出した。様々な組織でGUSの発現を解析したところ、FT-L2・FT-L2は葉の維管束、特に篩管周辺の細胞で発現していることを明らかにした。 (3)イネFT様遺伝子群(FT-Ls)のHd1による転写調節解析 イネFT様遺伝子であるFT-L1、FT-L2(Hd3a)、FT-L3のプロモーター領域にgus遺伝子を連結したプラスミドとイネのCO遺伝子であるHd1遺伝子を同時にプロトプラストに導入しGUS活性を測定した。その結果、FT-L1、FT-L2はHD1による転写抑制が確認されたが、FT-L3は抑制が見られなかった。これにより、イネFT様遺伝子群はHd1による制御を受けるものと受けないものがあることが示された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Hayama, R, Yokoi, S., Tamaki, S., Yano, M., Shimamoto, K.: "Adaptation of photoperiodic control pathways produces short-day flowering in rice."Nature. 422. 719-722 (2003)
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[Publications] 横井修司, 島本功: "日長による植物の開花制御 長日と短日を決める分子機構に迫る"蛋白質核酸酵素. 49. 28-35 (2004)
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[Publications] Takahashi, A., Kawasaki, T., Wong, H.L., Suharsono, U., Hirano, H., Shimamoto.K.: "Hyperphosphorylation of a mitochondrial protein, prohibitin, is induced by calyculin A in a rice lesion-mimic mutant cdr1."Plant Physiology. 132. 1861-1869 (2003)
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[Publications] Wong, H-L., Sakamoto, T., Kawasaki, T., Umemura, K., Shimamoto, K.: "Downregulation of metallothionein, a reactive oxygen scavenger, by the small GTPase OsRac1 in rice."Plant Physiology. (In press). (2004)
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[Publications] Miki, D., Shimamoto, K.: "Simple RNAi vectors for stable and transient suppression of gene function in rice."Plant Cell Physiology. (In press). (2004)
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[Publications] 三木 大介, 島本 功: "植物におけるRNAiの分子機構とその応用"実験医学. 22. 461-469 (2004)