2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14036223
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
島本 功 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 教授 (10263427)
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Keywords | イネ / 光周性 / 光中断 / コアコレクション |
Research Abstract |
イネをモデルとして、短日植物における日長による開花制御の分子機構を明らかにする。本年度は以下の成果を得た。 (1)光中断効果の解析とその遺伝子発現に対する影響 イネゲノムに存在するFT様遺伝子群の11遺伝子中で発現している7遺伝子は光中断によって発現抑制されないことを明らかにし、光中断の主要なターゲットがHd3aであることを明らかにした。 (2)Hd3aの異所的発現による局在と開花への機能の解析 異所的にHd3aを発現させた形質転換イネを用いて、維管束や葉でのHd3aの局在が開花に促進的に機能することを明らかにした。 (3)イネFT様遺伝子群(FT-Ls)の発現解析とRNAiによる機能欠損変異体の解析 RNAiを用いた遺伝子発現抑制体の解析から、イネFT様遺伝子群の11遺伝子ファミリーの中でFT-L2 (Hd3a)のみが開花に機能している可能性を示した。 (4)OsGIプロモーター::gus・Hd1プロモーター::gusの発現解析 イネ開花のシグナル伝達がどこで行われているかを明らかにするため、OsGIとHd1のプロモーターにgus遺伝子を連結したキメラ遺伝子を導入したコンストラクトを作出した。 (5)TAP法によるタンパク質複合体の単離と精製 抗TAPペプチド抗体や抗OsGI、抗Hd3aにより、培養細胞からTAPタグ融合タンパク質の検出に成功した。 (6)イネ長日促進因子であるOsMADS50/OsSOC1の機能解析 変異体の解析から、イネの開花制御には短日促進経路、長日抑制経路、長日促進経路の3つのパスウェイが存在するというモデルをたてることができた。 (7)イネコアコレクションからの新規な開花制御因子単離の試み 自然変異の中から新規な光中断関連因子を探索するため、66品種のイネコアコレクションに光中断処理をし、Hd3aの発現抑制に変化が見られる品種のスクリーニング系を確立した。
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Research Products
(5 results)