2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14036223
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
島本 功 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 教授 (10263427)
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Keywords | イネ / 出穂期 / 光周性花成 / 光中断 |
Research Abstract |
植物の開花統御機構は、長日植物シロイヌナズナと短日植物イネをモデル植物とし活発に研究が行われており、分子レベルの理解が進んできた。これまでの研究から、長日植物と短日植物が共通に持つ機購と、それぞれの植物が独自に持つ機構とが存在することが明らかにされてきた。イネの開花統御機構の研究において最初に明らかになったことは、日長により制御される光周性経路において機能する3つの遺伝子はシロイヌナズナとイネで高く保存されていることである。GI-CO-FTという経路はイネとアラビドプシスにおいて共通である。また、イネの短日性は、COによる、FTの制御が長日条件下でシロイヌナズナと逆転していることによるという結果が明らかになった(Hayama e tal.2003)。すなわち、短日条件下ではHd1(COオルソログ)がHd3a(FTオルソログ)の発現を活性化させることによって開花が促進されるのに対して、長日条件下では逆にHd1がHd3aの発現を抑制することによって開花を抑制することが分かった。つづいて、夜間の光パルスにより開花遺伝子Hd3aの発現が強く抑制されること(光中断)も明らかにした(Ishikawa et a1.,2005)。さらにこの光パルスの認識には植物の光センサータンパク質フィトクロムBが必要であることを明らかにした。
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