2002 Fiscal Year Annual Research Report
新規なN,P-型キレート金属錯体を用いた無保護グルカール類の立体選択的変換
Project/Area Number |
14044060
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
林 昌彦 神戸大学, 理学部, 教授 (60192704)
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Keywords | 無保護グルカール / グリコシル化反応 / パラジウム触媒 / 酸化的芳香族化 / ヘテロ環合成 |
Research Abstract |
無保護グルカールのアリルアルコールを選択的に酸化して得られるエノン体(ウロース)をグリコシル供与体に用い、触媒量のパラジウム触媒存在下、シアン化トリメチルシリルを作用させると、立体選択的1,4-付加が進行し、対応する3-ケト-1-シアノ糖が高収率かつ高いα選択性でもって得られた。本反応でパラジウム触媒として2価のパラジウムの他、0(ゼロ)価のパラジウムを用いることもできる。グルカールのグリコシル化では、2価のパラジウムのみが触媒活性をもつことと対照的である。そこで、酢酸パラジウムにポスフィン配位子を添加することで、α/b=94/6まで向上させることができた。さらに、本反応で用いたエノン体合成の際に見い出した、Pd/C触媒を用いる酸化反応をピラゾリンとジヒドロピリジンの酸化的芳香族化に適用した。 ピラゾリンからピラゾールへの芳香族化において、触媒量のPd/C存在下、溶媒に酢酸を用いると反応性が飛躍的に向上し、様々な置換基を有するピラゾリンが対応するピラゾールへと効率よく変換されることを見い出した(Org. Lett.,3955(2002))。さらにこれらのピラゾリンは、酸化剤であるPd/Cを一切用いなくとも、酢酸中加熱するのみで、対応するヒラゾールへと変換されることがわかった。本反応では酸素が必須である。 Pd/C-酢酸系はジヒドロピリジンからピリジンへの変換においても良好な果を与えた。この反応の原料であるジヒドロピリジンは、アルデヒド、アンモニア、β-ケトエステルから簡便に合成できる。従来は、硝酸あるいはDDQを用いてピリジンに酸化していたが、本法により環境調和型の酸化が実現できた。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] M.Hayashi: "Enantioselective Addition of Diketene to Aldehvdes Promoted by Chiral Schiff Base-titanium Alkoxide Complex. Application to Asymmetric Synthesis of Potential Inhibitors of HMG Co-enzyme Reductase"Isr. J. Chem.. 41. 241-246 (2001)
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[Publications] 林 昌彦: "遷移金属触媒を用いたアルコール環境適応型酸化反応"有機合成科学協会誌. 60. 137-144 (2002)
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[Publications] H.Kawabata: "Lewis Base-Catalyzed Taransformation of α, β -Unsaturated Aldehydes to Saturated Carboxylic Acids, Esters and Amides"Tetragedron Lett.. 43. 5645-5647 (2002)
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[Publications] N.Nakamichi: "Oxidative Aromatization of 1,3,5-Trisubstituted Pyrazolines and Hantzsch 1,4-Dihydropyridines by Pd/C in Acetic Acid"Org. Lett.. 4. 3955-3957 (2002)
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[Publications] M.Hayashi: "Stereoselective C-Glycosidation of Unprotected D-Glycals with Trimethylsilyl Cyanide"Chirality. 15. 10-16 (2003)