2004 Fiscal Year Annual Research Report
フェムト秒レーザーの時空間波形整形と分子制御への応用
Project/Area Number |
14077218
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
神成 文彦 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (40204804)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
津田 裕之 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (90327677)
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Keywords | フェムト秒パルスレーザー / 周波数領域波形整形 / 分子制御 / 適応制御 |
Research Abstract |
高強度フェムト秒レーザーパルスによるエタノール分子の解離性イオン化反応に関する我々の昨年までの研究から,エタノール分子の場合,レーザーパルス幅を長くして核波束のドレスド状態の反応ポテンシャル曲面上の移動を維持することによって,C-O結合の解離が相対的に促進することが示された。そこで,2004年度は以下の研究項目について研究を行った。 (1)エタノール以外の分子に対する,励起パルスのチャープ依存性の実験 プロパノール,アセトアニリル,アセトンの分子に対して,線形周波数チャープ特性と解離イオン化時のフラグメント分布を計測した。エタノール同様に,チャープ符号依存性はなく,長パルス化することで多様な解離が起きる。また,プロパノール分子に関しては適応制御波形整形も行ったが,やはり長パルス特性以外には最短パルスでは起きにくい解離反応頻度を高めるパルスは見出せなかった。 (2)パルス列励起を用いた,核波束制御と解離性イオン化反応の実験 パルス列を整形し,パルス間隔,パルス数と解離性イオン化反応の関係をエタノール分子に関して実験した。パルス間隔が100fs程度あいても核波束は継続して反応ポテンシャル局面をレベル交差点まで移動できる。また,ヨウ素分子において示されていたようなポンプ-ダンプ型の制御は起きていないことが確認でき,ドレスド状態を維持する光電界持続時間のみが重要であることが再確認された。 (3)400nmフェムト秒レーザーとの併用によるエタノール分子の解離性イオン化反応実験 400nmパルスを用いることで,多光子励起の効果を800nmパルスと比較できた。 (4)波形整形400nmパルス発生のための新しい和周波混合実験 (5)マイクロストラクチャーファイバを用いた白色光発生とそのスペクトル制御
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Research Products
(5 results)