2003 Fiscal Year Annual Research Report
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14083201
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山下 晋司 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (60117728)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
名和 克郎 東京大学, 東洋文化研究所, 助教授 (30323637)
森山 工 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (70264926)
岩本 通哉 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (60192506)
窪田 幸子 広島大学, 総合科学部, 助教授 (80268507)
渡邊 日日 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 専任講師 (60345064)
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Keywords | 文化人類学 / 文化資源 / 文化生成 / 社会的利用 / 動態 |
Research Abstract |
今年度は、研究の2年目で、(1)文化資源概念の整備、(2)文化が資源化するに際しての国家と市場という二つの分析枠組みへの注目、(3)国際的な研究展開のための国際ワークショップの開催、の3つを重点的課題として、研究を展開した。 (1)に関しては、第1回研究会(5月31日、東京大駒場、「自然資源の認知と加工」班と共同で開催)において、森山と渡辺が研究報告を行い、第5回(2月7〜8日、広島)においては、田辺繁治(国立民族学博物館)、今村仁司(東京経済大)、清水展(九州大)を招いて、ピエール・ブルデュの文化資本概念を中心に検討した。また、第3回研究会(10月10〜13日、屋久島)においても、佐藤健二(東京大)を招いて討議を行い、文化資源概念についての理解を深めた。 (2)に関しては、田中が第2回研究会(7月19〜20日、伊豆)において、堂下が第3回研究会において、山下が第4回研究会(1月9〜10日、東京大本郷)において、名和と遅沢が第6回研究会(2月21〜22日松山)において、それぞれの研究事例を検討し、文化資源を研究するうえで重要な研究枠組みであることを確認した。 (3)に関しては、第4回研究会においてテオドール・ベスター(ハーバード大)と宮崎宏和(コーネル大)を招いて実施した。第2回、第3回研究会、および第6回の研究会においても、東京大学客員教授として滞在していたリュウ・シン(カリフォルニア大学バークレー校)、バクティアル・アラム(インドネシア大学)ウルフ・ハナーツ(ストックホルム大学)などが参加した。 海外へは、6〜7月に山下がフィンランドへ、9月に葛野がフィンランドへ、12〜1月に窪田がオーストラリアへ、3月に名和がネパールへ、森山がフランスへ出張し、それぞれ研究発表や資料収集を行った。
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Research Products
(14 results)
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[Publications] 山下晋司: "Culture as a Resource in the Context of Tourism : A Balinese Example"A Paper presented at International Academy for the Study of Tourism. Savonlinna, Finland.. (2003)
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[Publications] 山下晋司: "文化人類学における視聴覚教育の可能性"マルチメディアによる民族学(大森康宏編)(国立民族学博物館調査報告35)、大阪:国民民族学博物館. 93-100 (2003)
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[Publications] 岩本通弥: "フォークロリズムと文化ナショナリズム:現代日本の文化政策と連続性への希求"日本民俗学. 236. 172-189 (2003)
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[Publications] 名和克郎: "Some Unintended Consequences of Ritual Change: The Case of Funerals in Chhangru, Byans, Far Western Nepal"The paper submitted to the workshop The Dynamics of Social and Political Change in Nepal, ILCAA, Tokyo University of Foreign Studies.. (2004)
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[Publications] 名和克郎: "Language Situation and Mother Tonguein Byans, Far Western Nepal"The paper presented at the 9th Himalayan Languages Symposium, Central Institute for Indian Languages, Mysore, India.. (2003)
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[Publications] 渡邊日日: "帝国の文化か,批判の表象か:帝政期シベリアに於ける『民族誌的多様性』について"超域文化科学紀要(東京大学大学院総合文化研究科). 8. 5-44 (2003)
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[Publications] 渡邊日日: "On Dynamics of Clan Society and Ethnographic Discourses on Its Reality : The Buriats, Colonial Administration and Revolutionary Ideas in Tsarist Siberia"Koichi Inoue, ed., Anthropological Perspectives of the North-Eurasian World. 9-35 (2003)
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[Publications] 窪田幸子: "この土地は私のものではない、この土地は私そのもの-オーストラリア先住民の権利回復の背景"オセアニアの国家統合と地域主義 JCAS連携研究成果報告(山本真鳥・須藤健一・吉田集而編). 6. 121-137 (2003)
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[Publications] 窪田幸子: "Legacies of the Mission : Christian Ideals and Gender' Hayami"Y.A.Tanabe & Y.Tokita-Tanabe, eds. Gender and Modernity-Perspectives from Asia and the Pacific (Kyoto Area Studies in Asia, Center for Southeast Asian Studies, Kyoto University Vol.4), pp.17-40, Kyoto University Press & Trans Pacific Press. 17-40 (2003)
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[Publications] 葛野浩昭: "先住少数民族問題と国際的協力体制北欧のサーミ人を取り巻く社会環境について"<もめごと>を処理する(宮本勝(編))(雄山閣出版). 200-225 (2003)
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[Publications] 堂下恵: "エコツーリズムにおける「自然」「日本型エコツーリズム」研究の前提として"総合観光研究. 2(印刷中). (2004)
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[Publications] 田中大介: "国立歴史民俗博物館(編)『葬儀と墓の現在:民俗の変容』(書評)"日本民俗学.
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[Publications] 田中大介: "資源化する死:現代日本の葬儀産業を事例として"日本民族学会第37回研究大会、京都文教大学. 234. 125 (2003)
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[Publications] 山下晋司: "Bali and Beyond : Explorations in the Anthropology of Tourism. Translated by Jerry Eades."New York and Oxford : Berghahn Books.. xix+175 (2003)