2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14104026
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
坂野 仁 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (90262154)
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Keywords | 匂い識別 / 嗅覚受容体 / 嗅神経細胞 / 神経個性 / 軸索投射 / 嗅上皮 / 嗅球 / 細胞接着分子 |
Research Abstract |
マウス嗅覚系では鼻腔内の嗅細胞で受容した匂い分子の結合情報が、一次投射先である嗅球上の糸球を発火させることにより位置情報へと変換される。この匂い情報の二次元変換が、限られた種類の嗅覚受容体(odorant receptor : OR)を用いて様々な匂いを識別する鍵となっており、これを支えるのが1神経・1受容体ルールと1糸球・1受容体ルールである。当グループではすでに、嗅細胞のidentityを決定する単一ORの発現はlocus control region(LCR)による正の制御と、OR分子による負のフィードバック制御によって維持されている事を報告した(Serizawa et al.,Trends in Genetcis 20,648-653,2004)。次に、これを踏まえたOR指令的に生じる軸索の投射については、嗅上皮における嗅細胞の位置情報が嗅球のdorsal/ventral軸に沿って、投射の主要なパラメーターとなっている事を見出した(Miyamichi et al.,J.Neurosci.25,3486-3592,2005)。更にanterior/posterior軸に関しては、Gタンパク質を介して入力されるcAMPのシグナル強度が投射位置の決定に影響を与える事(Imai et al.,投稿中)、また、軸索の選別・収斂には、ORの種類に連動して神経活動依存的に転写量が決定されるephlinやkirrelなど複数の接着分子の関与が明らかになった(Serizawa et al.,投稿中)。今年度当グループで行われた研究により、嗅細胞の軸索投射におけるneuronal identityの役割が、嗅球のD/V軸、A/P軸、軸索の収斂、という3つの観点から明らかにされた。
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Research Products
(4 results)