2003 Fiscal Year Annual Research Report
景気循環論の理論的・実証的再考察と景気判断モデルの構築
Project/Area Number |
14203001
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
浅子 和美 一橋大学, 経済研究所, 教授 (60134194)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本多 佑三 大阪大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (80137249)
小巻 泰之 日本大学, 経済学部, 教授 (80339225)
加納 悟 一橋大学, 経済研究所, 教授 (50114971)
脇田 成 東京都立大学, 経済学部, 教授 (60242046)
宮川 努 学習院大学, 経済学部, 教授 (30272777)
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Keywords | 景気循環 / 景気基準日付 / 景気動向指数 / 景況感のアンケート調査 / 景気予測 / ストック・ワトソン・モデル / ダイナミックファクターモデル / レジーム・スウィッチ |
Research Abstract |
本研究グループは日本経済の景気判断とりわけ景気転換点の決定に関し理論的,実証的に総合的に分析を行うものであるが,具体的な研究の遂行は(A)景気循環に関する理論的研究,(B)日本経済のデータ分析,及び(C)景気指標の作成,の3つのサブグループに分けて行う体制となっている。 2年度目の15年度も,14年度同様,各人がもっとも関心をもつ研究テーマについて個別研究ないし数人単位で共同研究することを基本とし,サブグループを単位とした研究会を頻繁に開催した。研究代表者である浅子はすべてのサブグループに参加し、それらの連携の要となった。この他に,プロジェクト参加者間の交流を密とする目的で,15年9月と16年2月の2回,青森県弘前市と福岡県北九州市において,それぞれ当地の弘前大学や国際東アジア研究センター所属の研究者の参加も得て,全体の研究集会的色彩のコンファレンスを開催した。これらによって,お互いの研究の進行具合や実際の日本経済の景気局面判断について,共通の知識をシェアする体制を整えた。なお、各サブグループには、若手研究者や、大学院生等にも積極的に参加を募った。 今年度の最大の成果は、浅子和美・福田慎一共編による書物『景気循環と景気予測』(東京大学出版会)が刊行されたことであり上の(A)(B)(C)の3つのサブグループの成果がまとまった形で印刷物となった。ただしこれは過去の蓄積の賜物の部分もあり今年度以降の成果は別の書物として刊行する計画になっている。新しい書物では、景気予測や景況感のアンケート調査に重点を置き、それらの現状の理解と改善方向について考察する。
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Research Products
(20 results)
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[Publications] 飯塚信夫, 浅子和美: "日本の景気循環-1990年代に何が起きたか"浅子和美・福田慎一(編)『景気循環と景気予測』. 13-42 (2003)
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[Publications] 浅子和美, 上田貴子, 加納悟: "政策と景気局面"浅子和美・福田慎一(編)『景気循環と景気予測』. 157-177 (2003)
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[Publications] 浅子和美: ""非伝統的"な金融政策の意義と評価"経済セミナー. 581号. 28-32 (2003)
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[Publications] 宮川努, 山澤成康: "景気判断とGDP統計"浅子和美・福田慎一(編)『景気循環と景気予測』. 337-370 (2003)
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[Publications] 宮川努, 今村有里子: "景気循環の国際的波及-アジア・太平洋諸国における実証分析-"浅子和美・福田慎一(編)『景気循環と景気予測』. 277-309 (2003)
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[Publications] 地主敏樹, 岡本光技, 高橋豊治: "金融危機下の金融緩和:1991年のFOMC"国民経済雑誌. 189巻第5号. 1-18 (2004)
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[Publications] Wago.H: "Bayesian estimation of smooth transition GARCH model using Gibbs sampling"Mathemitics and Computers in Simulation, Elsevier. 64. 63-78 (2004)
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[Publications] Murasawa.Y(with R.S.Mariano): "A New Coincident Index of Business Cycles Based on Monthly and Quarterly Series"Journal of Applied Econometrics. 18. 427-443 (2003)
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[Publications] 加納悟, 小巻泰之: "景気動向のモデル分析"浅子和美・福田慎一(編)『景気循環と景気予測』. 75-102 (2003)
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[Publications] 小巻泰之: "景気指標の不確実性"浅子和美・福田慎一(編)『景気循環と景気予測』. 311-335 (2003)
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[Publications] Honda.Y: "Bank Capital Regulations and the Transmission Mechanism"Journal of Policy Modeling. (forthcoming).
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[Publications] 黒木祥弘, 本多佑三: "金融-食融制度と金融政策"橘木俊詔(編)『戦後日本経済を検証する』. 227-352 (2003)
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[Publications] 鈴木和志, 本多佑三: "いくつかの名目GDPの先行指標"浅子和美・福田慎一(編)『景気循環と景気予測』. 179-200 (2003)
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[Publications] 脇田成: "景気循環 予測と理論の間"浅子和美・福田慎一(編)『景気循環と景気予測』. 103-134 (2003)
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[Publications] 脇田成: "マクロ経済学の新展開と金融政政策"金融. 681. 2-11 (2003)
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[Publications] 浅子和美, 福田慎一(編): "景気循環と景気予測"東京大学出版会. 374 (2003)
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[Publications] 岩田規久男, 宮川努(編): "失われた10年の真因は何か"東洋経済新報社「エコノミックス」シリーズ. 271 (2003)
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[Publications] 小野善康, 中山幹夫, 福田慎一, 本多佑三(編): "現代経済学の潮流2003"東洋経済新報社. 296 (2003)
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[Publications] 和合肇(編): "マルコフ連鎖モンテカルロ法による応用計量分析"東洋経済新報社. 391 (2004)
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[Publications] 脇田成: "日本の労働経済システム:成功から閉塞へ"東洋経済新報社. 384 (2003)