2002 Fiscal Year Annual Research Report
完全連通孔高強度アパタイト多孔体を用いた間葉系幹細胞増殖・分化技術の確立
Project/Area Number |
14208107
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
大串 始 独立行政法人産業技術総合研究所, ティッシュエンジニアリング研究センター, 研究チーム長 (80213669)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金村 米博 独立行政法人産業技術総合研究所, ティッシュエンジニアリング研究センター, 研究員 (80344175)
児玉 亮 独立行政法人産業技術総合研究所, ティッシュエンジニアリング研究センター, 研究チーム長 (70344447)
伊藤 敦夫 独立行政法人産業技術総合研究所, ティッシュエンジニアリング研究センター, 研究チーム長 (30356480)
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Keywords | 骨髄 / 骨形成 / セラミックス |
Research Abstract |
線状貫通気孔を作製するための特殊な金型を用い、粒径75μm以下の高純度アパタイト粉末をプレス成型し、1170℃、5時間燒結後、5×5×3mmに成形した。直径380μmの直線状貫通気孔を200μm間隔に配置し、これらの気孔列を交互に直交させ、3次元的に完全連通孔を有するアパタイト多孔体が得られた。コントロールとしてInterpore社製珊瑚由来のアパタイト多孔体;φ5×2mmを使用した。両者の気孔率はほぼ同程度であった。Fischer 344ラット大腿骨より骨髄細胞を採取し、15%牛胎児血清、抗生剤を含むMEM培地にて初期培養を行い、フラスコに接着する骨髄間葉系細胞を増殖させた。コンフルエント後トリプシン処理により細胞浮遊液(1×107cells/ml)を作製し、両者のアパタイト多孔体に細胞浮遊液を混和した後、同系ラットの背部皮下へ移植した。経時的にアパタイト多孔体を摘出し、生化学的および組織学的検討を行った。 結果:移植後4週目において、骨芽細胞活性を示すアルカリフォスファターゼ活性値を、両者のアパタイト多孔体の単位重量当りの活性値として比較したところ、共に高活性値を示した。また、骨形成量の指標となるオステオカルシン量においても同様に、両者のアパタイト多孔体で高値を示した。さらに、組織学的に完全連通孔アパタイト多孔体では、内部を中心に気孔内が充満するほどの旺盛な骨形成が確認された。 考察:以上より、この完全連通孔アパタイト多孔体が、気孔内での培養骨髄細胞の骨芽細胞への分化を支持し、人工骨あるいは組織工学スキャホールドとして有用であることが示唆された。なお、このセラミックをuCTで用いて気孔径等の観察できうることが判明し、今後このuCTを用いての解析を行う予定である。また、これらの骨形成は骨芽細胞により行われるが、その骨芽細胞の分手技術をファックスのソーターを用いて可能にする技術を開発した。さらに、他の細胞の研究として神経細胞の免疫組織解析手段の構築さらに幹細胞のマーカーによる幹細胞の同定技術も確立した。以上より、本計画は順調に進んでいることを報告する。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] M.Ikeuchi, Y.Dohi, K.Horiuchi, H.Ohgushi, T.Noshi, T.Yoshikawa: "Recombinant Human Bone Morphogenetic Protein-2 Promotes Osteogenesis within Atelopeptide Type I Collagen Combination with Cultured Marrow Cells"J. Biomed. Mat. Res.. 60. 61-69 (2002)
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[Publications] M.Akahane, S.Kuriyama, Ohgushi, H.et al.: "Enhancing and suppressing effects of dexamethasone on transgene expression in vitro"International Journal of Molecular Medicine. 10. 107-112 (2002)
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[Publications] M.Akahane, H.Ohgushi, S.Kuriyama, et al.: "Hydroxyapatite ceramics as a cariier of gene-transduced bone marrow cells"J. Orthop. Scie.. 7. 677-682 (2002)
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[Publications] H.Ohgushi: "Bioceramics"McGraw-Hill Yearbook of Science & Technology (The McGraw-Hill Co., New York). 24-27 (2002)